青年の環 5 (岩波文庫 緑 91-7)
青年の環 5 (岩波文庫 緑 91-7) / 感想・レビュー
格
(5巻の感想として)矢花正行と大道出泉の道は交わるかのようにみえて決して交わることはなく、それぞれの終わりを迎える。「炎の場所」と名付けられた終章はいわばサスペンスとアクションの連続で緊張感も高まりに高まっていくのだが、その終わりについてはどうだろう。特に正行の側は「えっ、これで終わり?」と呆気なく物事が片付いてしまう。ここのところをどう考えるか。本作が目指した理念に基づくと、このような終わり方になるということだろうか→
2024/10/19
嵐 千里
最終章「炎の場所」は一気呵成に読める。しかし、この章にたどり着くまでがとにかく長い。延々と張り巡らされた伏線な訳だが、これほど筆を費やす必要があったのか大いに疑問。 全体小説の試みとの触れ込み、谷垣純一郎賞受賞作(あの『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』『万延元年のフットボール』、そして『たった一人の反乱』)でなければ付き合いきれない(8カ月掛かった)
2024/07/23
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