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みそっかす (岩波文庫 緑 104-1)

みそっかす (岩波文庫 緑 104-1)

みそっかす (岩波文庫 緑 104-1)

作家
幸田文
出版社
岩波書店
発売日
1983-09-16
ISBN
9784003110416
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みそっかす (岩波文庫 緑 104-1) / 感想・レビュー

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優希

幸田露伴の次女として生まれた文の少女時代。丁寧に描かれた日常は時に悲しさすら感じさせます。様々な出来事は、誰もがどこかしらで思ったことのあるものではないでしょうか。冷静な視点で描かれていながらも、心に響くような共感をおぼえます。色々なことがあり、その時々で抱く感情がスッと入ってくるからこそヒリヒリするものがありますが、とてもいい随筆だと思います。

2016/06/01

jam

幸田露伴の娘である文は、露伴の死後、請われ筆を執る。生母を僅か6歳で亡くし、家事一切は父、露伴から仕込まれた。物の道理に重きをおく父は、家事にも合理性はもとより、所作の美しさを求めた。男子を望んだ露伴は文の出産の折、あからさまに落胆したそうで、母は「女の子でも良い子に」と泣いたという。父の高い要求の先を読み、日々に在る美しさを健気に、やがて凛としてこなした文を、露伴もきっと「良い子」と愛おしかったのではないだろうか。なぜなら、文の文章の端正な美しさに、父露伴が偲ばれるからだ。親子にはさまざまな形がある。

2016/09/30

優希

丁寧に日常が描かれていました。幸田露伴の次女として生まれた文。時に悲しさや苦しさがあるのでしょう。生母の死、父とのもつれの中に身をおく少女時代。冷静な視線で描かれていますが、心に響くような共感を感じました。色々なことがあり、その時その時に感情にスッと入ってくるので、ヒリヒリしました。時に感じる生の営みに心がうたれました。

2019/07/25

はつばあば

みそっかす・・懐かしい言葉に共感を覚えました。誰しもが秀でて生まれる訳ではない。弟が生まれ学校に通うようになってから、何もかも弟の方が優秀だったので、このヒリヒリとした感情は実母に投げつけられておりました。母も秀でた人でしたし母方の従妹達も「落ちこぼれ」なんておりませんでしたから母としては恥ずかしかったのでしょう。長男として君臨する父に叔父や叔母は私を可愛がってくれましたから、幾つになっても祖父母の家に避難しておりました。彼らから大器晩成という言葉で慰めをもらった事が育児に影響したことは有り難いのか、

2016/04/06

壱萬参仟縁

母の亡いあとの食事は、おばさんとオバ公さんとが交替で泊り込んでしてくれた(27頁)。我が家はヲヤジがそれなりに朝飯、昼飯はつくっている。が、温かくなるとマレットゴルフだの農作業だので出て行くがね。人は誰でも好きなことをしてのんびりしている時をもたなくてはいけない(52頁)。スローライフですか。ははは留守が多かった。学校から帰っておやつを貰う人がいなかった(91頁)。幸い、兄と私はおやつの思い出はあった。冷蔵庫にゼリーとかプリンとか思い出したよ。

2016/03/27

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