夫婦善哉 正続 他十二篇 (岩波文庫)
夫婦善哉 正続 他十二篇 (岩波文庫) / 感想・レビュー
i-miya
2014.01.22(01/22)(初読、初著者)織田作之助著。 01/21 (解説=佐藤秀明=織田作之助の大阪) 「西鶴は大阪の人である」は、織田作之助の『西鶴新論』の書き出しである。 この西鶴をオダサクと入れ替えても、どこからも文句はでないであろう。 大阪市南区生玉町に生まれ、大阪府立高津中学校(現・高津高校)を卒業するかでずっとここに住んでいた。
2014/01/22
藤月はな(灯れ松明の火)
初オダサク。予想と違い、よくある男女関係の一般論ではなく、現実をノンシャラと描いているのが好印象。表題作は夫婦の男の威張るけど実力がない情けなさと女の実は強かな関係が適確に描写されているのに胸が好きます。それにしても浮気も博打も借金もするダメ男だけど、美味しいもの好きはちょっと狡い(笑)それに惚れた弱みはあるけど、夫が浮気など、甲斐性がないことをすると妻がぽかすか殴れるという関係はいいな~。希望も見える「雨」、図太く生きる人々の滑稽な愛おしさ溢れる「俗臭」、亡き姉の淡やかな恋を妹視点で綴る「姉妹」も好き。
2016/01/10
優希
織田作の主に戦中期の作品がおさめられています。どの作品も面白く、なにわの空気が漂っていました。講談のような紙芝居のような世界と言えば良いのでしょうか。どの作品にもお笑い要素があるのが良いですね。
2024/02/15
ケイ
大阪中心の話。登場人物はキツい大阪弁だが、語りは標準語なので、関西の人でなくても読めるかな…? 夫婦善哉、(続)夫婦善哉は、蝶子のバイタリティーに驚く。柳吉と本当の夫婦になりたいと、まあ働く働く。女が甲斐性あるのも考えものだし、私が一人前の男にするとか重いんだけど、暗さをはねのける強さがいい。他の短編の男達がなかなか貧しさから抜け出せないのと対照的。映像技師になった藤吉の友への思いがいい「木の都」、寺田屋の女将を描いた「蛍」が、特にお気に入り。
2013/09/25
阿呆った(旧・ことうら)
◆又吉直樹のオススメ本◆「夫婦善哉」「続夫婦善哉」…カフェー(現在のキャバクラ)で散財を重ねる夫と働き者の妻。「別れればいいやん!」と、何度もツッコミながら読んだ。でも、山あり谷ありで、オチは「意外といい夫婦かも」と思えた。◆その他の作品…カフェーや賭博、女にお金をつぎ込んだり、生まれがそもそも不遇だったりと、『市井の底辺を低空飛行する人々』が主人公。でも、何やかんやで、みんな精一杯頑張っている。
2017/03/17
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