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東京百年物語1 一八六八~一九〇九 (岩波文庫)

東京百年物語1 一八六八~一九〇九 (岩波文庫)

東京百年物語1 一八六八~一九〇九 (岩波文庫)

作家
ロバート・キャンベル
十重田 裕一
宗像 和重
出版社
岩波書店
発売日
2018-10-17
ISBN
9784003121719
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東京百年物語1 一八六八~一九〇九 (岩波文庫) / 感想・レビュー

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KAZOO

ロバート・キャンベルさんらによる編集で東京の情景などあるいは舞台にした文学作品に書かれたものを集めたアンソロジーです。1868年から100年で全3巻で岩波文庫から出版されています。この巻ではロバートキャンベルさんが現代訳されたりしています。作品としては、当時の有名作家(樋口一葉、泉鏡花、正岡子規、岡本綺堂、夏目漱石など)が書いていますが私にはあまりなじみのないものでした。最初に収められている関謙之の「銀座小誌」を興味深く読みました。江戸から東京に移る時代のものです。

2018/11/20

HANA

江戸が東京と名を変えて間もない時期のアンソロジー。前半は言文一致が始まった直後かそれ以前なので、やはり読みにくい。特に東京銀街小誌は訳が要るほどで、この百五十年で日本語の文章がいかに変化したかが手に取るようにわかる。樋口一葉や鏡花は流石の出来だけど、他はちょっと微妙な出来かな。ただ後半になると文章が現在に近づいてきたためか、俄然読みやすくなる。特に漱石の「琴のそら音」は何度読んでもその不安感がこちらに伝染するようだし、綺堂や木下杢太郎、荷風の描く東京も何とも美しい。今から百五十年前、長いのか短いのか。

2019/04/14

かふ

先日、「銀ぶら」していたら北村透谷と島崎藤村の石碑を見つけたで家に帰って『東京百年物語1』で透谷『慢罵』を読んだら、明治近代化の中で移動していく(江戸から東京)の移りゆく街並みを描いていて、物欲の街の中で詩の必然を訴え、創造的思考の欠如、詩ではなく詩歌が好まれて浮かれ気分でいるのを憤る文だった。「銀ぶら」というのは明治末期に知識人や文化人が路地裏を歩きながら、その観察を通して内面を刻みだす文が流行ったからだという。ショッピングとかじゃなかったんだ。19世紀半ばのフランス文学の影響とか。『武蔵野』に通じる。

2019/03/02

元気伊勢子

順番に読むと文章が変わっていく様子が分かるし、暮らしぶりや考え方も現代とは相当違うのでそこら辺も意識しながら読むのもまた面白い。特に関謙之「銀街小誌」は江戸の名残がある東京の様子が生き生きと描かれているのが良かった。北村透谷「漫罵」は、この時代ならではの文明批判が面白かった。

2021/03/12

マカロニ マカロン

個人の感想です:B。『琴のそら音』(夏目漱石)を読むため借りた。明治期の東京が変遷していく風景が書かれた短編小説集。1883年の『銀街小誌』(関謙之)はユーモラスな話だが、原文は漢文調でロバート・キャンベルさんの現代語訳がなければ意味が取れない。吉原遊郭の様子を書いた『浅ましの姿』は北田薄氷(うすらい)が19歳で書いた作品。窓の内より通りがかる男に声をかける遊女を浅ましいと思う一方、家計のため苦界に身をやつした者もあり、自分も幼少時に人さらいにさらわれそうになったことがあり、他人事と思えないと書いている

2021/04/05

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