露伴随筆集 下 言語篇 (岩波文庫 緑 12-13)
露伴随筆集 下 言語篇 (岩波文庫 緑 12-13) / 感想・レビュー
双海(ふたみ)
格調高い文章だなぁ、と思いました。ただそれだけ、それ以上は進めませんでした。無念です。
2015/08/23
壱萬参仟縁
上巻にも字義が出てきたが、本格的な分析。文章といふものは、功広大熾盛(しじょう)で、徳深厚悠久な、一(いつ)の大事(13頁)。実用と、美術の文章(14頁)。22-23頁の図式は体系的で参考になる。真率とは、澄まさず気取らず、衣紋(えもん)を繕ふやうなことをせずに、直(すぐ)とそのままにわが感情を現はす(127頁)。「真率は人を動かす力である。真率は人を吸引する、真率は実に魔力である。(略)真率は全幅の精神で有るからである」(129頁)。「日本文話」は少しは平易な文体。話し言葉だからだと思われる。内容は難。
2013/10/03
AQL
「音幻論」が読みたかったので。
2011/08/03
eckhart88
B+:面白い。この下巻には露伴の国語や文章についての内容がまとまっている。音幻論は現在の音韻論や比較言語学、音声的な古代言語比較を考えると一周回って中々先駆的かもしれない。露伴の学問は知識以上にこうした絶妙な、今にも通じるような発想の妙に面白さがあり、音韻のアプローチは個々の正誤はともかくとして勘の鋭さを感じさせる。文章は練達至妙。ちなみにこの随筆集、寺田透による註が粗雑なことで知られており当時批判が滂沱と湧いたため、二刷以降で註がかなり修正されているのはその筋では有名。古書店で買うなら二刷以降が良い
2024/02/12
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