世界の十大小説 上 (岩波文庫 赤254-4)
世界の十大小説 上 (岩波文庫 赤254-4) / 感想・レビュー
KAZOO
この本も私は岩波新書での再読です。モームがある雑誌のアンケートに応えての世界の十大小説を選んだことについてかなり詳しく書かれています。上巻では「小説とは何か」と「トム・ジョウンズ」「高慢と偏見」「赤と黒」「ゴリオ爺さん」「デイビッド・コパーフィールド」をとりあげています。最初の小論は非常に参考になるものでモームの小説論といった趣があり優れた小説とはどのようなものかが詳説されています。ここに取り上げている5つの作品と作家論では「ゴリオ爺さん」が未読なので参考になりました。
2024/06/20
lily
モームが語る作家なら十人と言わず、世界の作家大辞典を編んで欲しかったくらい、公平な評価で信頼でき、かつ納得させる毒舌家でユーモアの才能を持って臨場感溢れる人物像を浮き彫りにする伝記は退屈することがなかった。恋やお金の工面や夫婦関係など問題点(内面に原因があるのだけど)が山積みで苦悩がなくなることがなかったからこそ小説を書くことで昇華した。
2019/06/10
いちろく
紹介していただいた本。書評集だと思っていたら違った。いや、著者から産まれた作品は著者自身の分身、と考えるならばこの本は書評集になるのか。紹介本の著者の人物像に迫る内容は、人物を通じて作品を見ているようで、面白い。上巻は5作品。いや、5人の著者の紹介と書く方が正確か。お気に入りは、ジェイン・オースティン。
2016/04/03
501
モームが選ぶ小説10作品の書評。上巻は内5作品をおさめる。作家の人物を知れば作品の理解も深まるというスタンスの書評で、作品そのものより、作家本人がどのような人物であったかが主体となっている。時には辛辣な言葉も遠慮なしだが、作品とその作者への愛情が感じられ大変面白い。
2017/11/02
花乃雪音
原題『Ten Novels and Their authors』では邦題の『世界の十大小説』と印象が異なる。また、モームは本書で挙げられた十篇の小説以外でも同等のリストと理由を述べることができるという。本書で挙げられた十篇の小説がモームの選ぶベスト10というわけではないことを知ったことが本書を読んだ一番の収穫となった。
2020/02/07
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