武器よさらば 上 (岩波文庫 赤 326-2)
武器よさらば 上 (岩波文庫 赤 326-2) / 感想・レビュー
特盛
WW1のイタリア軍に参加した米国人ヘンリー。米国の参戦前に衛生兵輸送士官として飛び込んだ。理由はよくわからない。万事淡々。彼は不慮の砲撃で大けがを負う。ナポリに下がり、イギリス人看護婦のキャサリンと恋に落ちる。遊びの恋は本気の恋に変わる。回復後彼女と離れ戦線に戻るのだが、別れの前の散歩のシーンがとても美しい。後数時間後には汽車が出る。瞬間瞬間が輝く。戦場では皆戦争は思ったよりやばい狂気だと気づきだす。長期化の予感を漂わせ、厭戦気分も侵食しだしたところで下巻へgo。古い訳だが文体の躍動感が伝わり読み易い
2024/05/13
イプシロン
どの時代、どの国にもいるだろう、ふつうの男と女――下士官兵士と特志看護婦――が戦争の現実を理解せぬまま、その渦に巻き込まれてゆく様は現代にも通じている。二人が恋心を互いに抱きあうのは、彼が負傷してから。戦争によって結ばれた恋愛であるのが悲しい。極限状態になってはじめて相手の存在の重さに気づく哀れ。だがそれは戦争が人と人の絆を破壊することへの気づきでもある。当たり前などないことを忘れる無感覚ゆえといえるだろう。そうなる原因は、信仰をもたないゆえに無意識に人間性を喪失してゆく安逸さにあるという示唆は鋭い。
2016/01/21
ペペ
背景知識をほぼゼロで読み進めたが、場面場面の展開が早く、内容も分かりやすかった。また、戦争の非情さや冷酷さを訴えかけてくる本でした。続いて下巻も読みます。
2016/04/13
shayna
第一次世界対戦のイタリア戦線で戦争に身を投じるアメリカ人中尉のヘンリーは、イギリス人看護婦のキャサリンと出会う。 次第に距離を縮め、恋に落ちる二人。やがてキャサリンは妊娠し、二人は戦場から離れて安住の地での暮らしを求めつつも、容赦なく戦争は周囲の命を削っていく。 ルポタージュのような、ヘミングウェイ自身の戦線での経験をそのまま描写しているような、余計な修飾語のない写実的で現実的な文章にぐいっと引き込まれる。 登場人物に心情移入はしないが、、訳がかなり古かったので多少読みにくさを感じるところもあった。
2023/09/24
たぬ
★4 句点が少ないなど独特の文体に最初は戸惑った。軍を脱走して湖の向こう岸のスイスへ行く部分、ちっとも切羽詰まってる感じがしない。スイスってそんなにおおらかな国だったんか? 主人公が被弾する場面は緊迫感あったんだけど。
2017/08/14
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