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風と共に去りぬ(四) (岩波文庫)

風と共に去りぬ(四) (岩波文庫)

風と共に去りぬ(四) (岩波文庫)

作家
マーガレット・ミッチェル
荒このみ
出版社
岩波書店
発売日
2015-11-18
ISBN
9784003234242
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風と共に去りぬ(四) (岩波文庫) / 感想・レビュー

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Mijas

解説は「南北戦争と銃後の女たち」。南北戦争と再建時代が描かれるこの巻を読むと、当時のアトランタの無法地帯ぶりがわかる。扇動された解放奴隷たち、KKKの結成。「自由とは終わりのないピクニック、怠惰と窃盗と傲慢のカーニバル」と形容されている。戦争は混乱を生み、南部女性たちに重くのしかかる。恐怖、飢え、重労働、これまでの慣習が役に立たなくなった現実の中、スカーレットは本領を発揮する。「みんなに吠えさせて」おける気丈さがあるのはすごい。好きな場面は、アシュリーとのこの一コマ。「あなたにはタラがあるじゃないですか」

2016/03/09

きいち

もう止まらない。◇アシュリーに赤土を握らせられて正気に戻る「雄々しい」現実家スカーレット、いっきに事業家に成りあがるスカーレット、その魅力が炸裂する4巻。数字が得意って設定だったものな、しっかり回収してくれてうれしい。ふふ、『ヨコハマ物語』だ。◇一方男どもは、レットを引き立てるためかもしれないが、かなり残念な設定。逆ハー状態だしもうちょっと魅力上乗せしてもいいと思うのだが。◇荒の解説は、銃後の女たち。クリミア戦争直後の看護師、女スパイなど多士済々。戦争が平等を一気に推し進めるのは、総力戦の共通項なのだな。

2019/02/13

藤月はな(灯れ松明の火)

一応、男に頼らないと独り立ちできないのが、世間における女のあり方。でも緊急時の肝の座り方や周囲の効果的な動かし方、未来へ通じる資産運用を本能的に知っているのは、実は女。だって生きるために手段も選ばず、必死にならなきゃ、いけないのは「弱い」と侮られがちな女なのだから。一般的な見方を剥ぎ取り、ただ、現実と向き合って生きる女のリアリティを描いたからこそ、この作品は多くの女性に共感され、愛されるのかもしれません。

2015/12/29

ヘラジカ

自分に甘く勝手気ままに生きてきたスカーレットは、自らの生活と愛する故郷を守るため、堅い意志を持って”戦後”との戦いを始める。スカーレットの手練手管に一(男性)読者としては少々げんなり。しかし、こう感じるのもそれだけ入れ込んで読んでいる証拠だろう。主人公の行動に一喜一憂せざるを得ない小説になんて、最近では中々お目にかかれないのだから。第4巻に至っても勢い衰えず、相変わらず面白い。昨今のアホみたいにつまらないテレビドラマを見ている人が読んだらどう思うのだろうか。

2016/05/18

MATHILDA&LEON

【英ガーディアン紙が選ぶ必読小説67-Ⅳ/1000】第4巻では、超現実主義者のスカーレットの辣腕ぶりが要所要所で見受けられる。女性が働くことを軽蔑する社会で、先進的で精力的な活動を続ける彼女を周囲は忌み嫌うが、皆と違うことをすれば村八分にされるのは今も昔も変わらない。スカーレットが恐怖に苛まれながらも、お金を稼ぎ、家族を養おうと躍起になる姿に応援したくなる。解説文は『銃後の女性たち』。これを読むことで物語に奥行きと信頼性が増す。

2022/08/08

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