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風と共に去りぬ(五) (岩波文庫)

風と共に去りぬ(五) (岩波文庫)

風と共に去りぬ(五) (岩波文庫)

作家
マーガレット・ミッチェル
荒このみ
出版社
岩波書店
発売日
2016-01-16
ISBN
9784003234259
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風と共に去りぬ(五) (岩波文庫) / 感想・レビュー

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ベイス

【時代背景】南北戦争前後の状況がリアルに伝わってくる。歴史の授業がいかに北軍目線で語られていたかを思い知る。KKKというと白人至上の狂信的集団というイメージしかなかったが、複雑な軋轢の中で誕生したこと、彼らの内在的論理の一端を知った。解放を叫ぶ北軍の中には、むしろ将来的な黒人の「アフリカへの帰還」を意図していた側面があること。一方南部では奴隷として虐げられていたという側面がありつつ、ハウスニガーら一部の黒人は白人と家族同様の信頼関係を築き、強い絆で結ばれていたという。目からウロコであった(以下6巻の欄に)

2024/01/28

藤月はな(灯れ松明の火)

「アシュリーは頭はいいけど、実生活ではとんでもないボンクラだよ」と告げるメアリーのおばあさまの歯に着せぬ物言いに気分がスッキリします。流石、年の功故の観察眼!そしてスカーレットの悪口をいう偽善的な婦人会へ絶縁を告げるメアリーの胆力も凄い!一方、自分が欲しいものを手に入れられて進む道を驀進できることに調子に乗っているけど、相変わらず、荒廃のタラと飢えの記憶を夢で見て慄くスカーレットを見ていると守ってやりたくなるから不思議。でもレットは本当によく、我慢しているな・・・。彼こそ、真の紳士というべきなのかも。

2016/03/28

きいち

5巻は500頁もあるのに、一気。◇解説はミッチェルの経歴。波乱万丈の青春期、抵抗をはねのけ自分で自分の人生を生きる姿は、十分にスカーレットに活かされてる。◇テロと圧政のうずまくアトランタで、KKKに引き寄せられる南部人たち。不当への抵抗を錦の御旗に過去への拘泥を正当化するように描かれる。◇スカーレットを苛む悪夢。飢えとタラを失う恐怖に追われながらも、あきらめることなく脱出口へたどり着こうとするとは、なんともスカーレットらしい。◇フォンティンおばあちゃんの洞察、マミーの安定、メラニーの啖呵と読みどころ満載。

2019/02/15

ヘラジカ

一巻から五巻までは段々ページ数が増えているのだが、逆に読み終えるまでの時間は感覚的に短くなっている気がする。読み慣れてきたのもあるだろうけど。今のところのピークはやはり三巻のアトランタ陥落ではあるが、五巻も先が気になってするすると読んでしまう程に面白い。スカーレットが幸せを手にしつつある今、まだ残り一冊分あるというのはある意味で不安だ。バトラーが恋しているのは、スカーレットではなくて、決して心まで手に入らない女性なのではないか。届かないからこそ切望してしまう心理。男なら大なり小なり似たような経験がありそう

2016/06/16

みつ

最愛の家族の死とその引き金となる屈辱的な出来事から始まる第五巻。対してスカーレットは、「ちっぽけな嘘なんてどれほどのこと? ヤンキーから引き出せるものならどんなものだって公明正大なお金」(p50)と、現実主義者らしくつぶやく。製材工場の経営は壁にぶつかり、曰くありげな男たちと対立しながらも乗り切ろうとする。クークラックスクランとの思わぬ関わり。怒り続けるスカーレットに対し、穏やかでありながらいざという時に肝の据わったメラニー(p266以下の危機が迫る場面がその典型)がもうひとりのヒロインとして輝きを増す。

2022/09/25

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