風と共に去りぬ(六) (岩波文庫)
風と共に去りぬ(六) (岩波文庫) / 感想・レビュー
ベイス
【総評】理解を超えていた、というのが正直な感想。青春、理想の母、豪快な父…みんな去りぬ(Goneね!)それでもスカーレットは強靭なメンタルと行動力で戦後を生きる。自分が正しいと思う道を突き進むが、次第に懐疑的にならざるをえない。悪趣味なマイホーム、アシュリーへの救いがたい未練。ついにスカーレットは真の理解者、メラニーとレットをも失う。相応の報いを受けたエンディング。それでも、こんがらがったことは「あした考えよう」。全部、彼女のもとを去った(Gone)が、どこまでも強い。この結末をどう受け止めればいいのか?
2024/01/29
みつ
前の巻の終わり近くで、レットとの新たな生活を始めるスカーレット。随所に見られるある種独善的な自己肯定感は、この幸福な環境でますます高まる。圧倒されつつも彼女への共感がどうしてもできない原因は、このあたりにありそう。最終巻では、二つの悲劇が彼女を襲い、誰にも愛され、尊敬されながら自分は軽蔑し続けた「あの小柄で平凡なメラニーがわたしの大きな源だったなんて」(p305)とようやく気付く。開かれた結末には続きを期待する向きもあるそうだが、自分にはこの終わりがしっくり来る。連休を利用した一気読みの時間が愉しかった。
2022/09/26
きいち
ああ、終わってしまった。最終巻はところどころで素敵な希望を抱かせながらも多くの部分は苦しく、でもそれでも読み進めさせられてしまう力強さがあって…。三十年ぶりの再読で受動的でいられる快感をここまで感じさせられると思わなかった。◇その快感は、スカーレットの頭に浮かぶ暖かな赤土のタラの風景のもと、不意に断ち切られる。だがすぐに、スカーレット個人のこれからの生き様について何種類ものプロットを思い描こうと足掻く自分がいる。どれも満足できないのだが。◇荒の解説はアメリカン・サーガとしての作品論。ん?緋文字、面白そう。
2019/02/17
MATHILDA&LEON
【英ガーディアン紙が選ぶ必読小説67-Ⅵ/1000】スカーレットが新たに子供を授かるところから第6巻は始まるが、スカーレットにはまた様々な乗り越えるべき試練が立ち塞がる。そしてラストが衝撃的な終わり方で、でもそれ以外の終わり方は無いと思える納得の結末。 この物語には実に魅力的な人物が多く登場するが、彼らには大きな役割・意味があり、それらを紐解くことで、その物語の奥深さやその時代の思想や考え方が見えてくるが、現代にあっても主人公スカーレットのような先進的で強い女性は嫌がられる傾向にある。それは未だ根強い→
2022/08/26
コニコ@共楽
この物語を課題にした読書会も来月で終わりになります。コロナ禍の中でずっと読み継いできたこのシリーズには、厳しい南北戦争時代の中、力強く生きるスカーレットを中心にグイグイと引き込まれました。再読なのに、最終巻になってもレット、アシュリーとの関係はどうなるのか、メラニーは本当に何も知らなかったのか等にあらためてハラハラ。スカーレットは商才や危機管理能力はすごいのに、他人の気持ちには鈍感過ぎるっと諭したくなります。章を追う毎にスカーレットとレットに起こる悲しみの連鎖が、最後で何とかなるさぁとなるのも真骨頂です。
2020/11/27
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