詩と真実 第2部 (岩波文庫 赤 407-0)
詩と真実 第2部 (岩波文庫 赤 407-0) / 感想・レビュー
lily
ゲーテにとって大学で満足に学べることはなく退屈だったとしても恋には盲目で精神も忙しかったの。殆ど一目惚れかな。恋の想い出を語る筆致が最も力強く、内なる充溢を感じる。インスタント化した今日に比べて、この時代の語られる愛は貴重なもので高尚で初々しくて気持ちいいな。
2021/04/29
翔亀
【ゲーテの時代4】自伝の第2部は16歳のライプツィヒ大学時代から21歳のシュトラースブルグ大学時代の途中まで。恋愛のこと友人のこと教師のこと町のこと学問のこと宗教のことなどが縦横無尽に(悪く言うと連想のまま脈絡なく)語られる。自ら「個人の純粋な、静かな、不断な進歩を述べることのできるような伝記はほとんどない」(第3部p57)と弁解するが、青年期は特にそういうものかもしれない。自らこの時代は支離滅裂になっていたと書いているが、2種類の伝記を併読してみると、自伝よりもっと起伏は激しかったようだ。放蕩三昧の↓
2020/11/24
てれまこし
人格の完成を目指すゲーテの教養主義は、まず啓蒙思想によって理性の服従されるべきものとされつつあった感情へと向かう。それは宗教と詩と自然を結びつける。恋もまた神聖な意味を付与される。ロマン主義者が熱狂的に支持したゲーテはこの側面。だが、ゲーテは理性も否定しない。法学や哲学よりも自然科学に惹かれる。ゲーテの教養主義はすべてを綜合し全体を直観的に把握しようというヘーゲル的欲望に突き動かされてる。これがロマン主義に欠けた鷹揚さと、何ごとにも心を動かされつつどこか冷めたところのある教養主義の貴族的態度にも結びつく。
2020/12/07
Kota
大学でさらに多くの学問に没頭し、芸術や文学にものめり込む、まさに多感な青春真っ只中の時期。ただ執筆は前作の一年数ヶ月後で、語り口は執筆時の63歳のゲーテの視点が目立ち、若い自分を客観視し、一般化して、融通無碍な語り口へと変化している印象を受けた。最終章の新しい恋の描写はやはり見事だし、面白いエピソードも多いが、個人的には第八章末尾にやや唐突に現れた、新プラトン主義を土台とする独自の宗教観が興味深かった。恐らく『ファウスト』に関わり、その後のドイツ神秘主義やロマン主義にも影響を与えた源流の部分かと思われる。
2019/08/15
パンケーキ
良かった。
2014/05/19
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