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カフカ寓話集 (岩波文庫 赤 438-4)

カフカ寓話集 (岩波文庫 赤 438-4)

カフカ寓話集 (岩波文庫 赤 438-4)

作家
フランツ・カフカ
池内紀
出版社
岩波書店
発売日
1998-01-16
ISBN
9784003243848
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カフカ寓話集 (岩波文庫 赤 438-4) / 感想・レビュー

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KAZOO

フランツ・カフカの作品集で30の作品が収められています。ショートショートのような作品から結構長い「巣穴」、他のアンソロジーでも読んだことがある「断食芸人」などがあったりします。他の短編集で読んだものよりも説明的な作品もあり比較的読みやすい気がしました(巣穴は除きますが)。やはり一番印象に残るのは「断食芸人」でした。またカフカが描いた絵がいくつかあり印象に残りました。池内紀さんの解説が参考になりました。

2022/10/22

優希

野心家カフカと謳っていますが、芸術家としての立場を考えると、誰でも抱きそうな感情に思えます。それは、常に謙虚で、死後作品を焼却するよう願ったからこそではないでしょうか。数々の寓話の中には、自分の作品が思うように書けなかったような雰囲気を漂わせているものもありました。何処かで自分の時代が来ると見つつも、作品を残すことを望まなかったのもうなずけます。

2018/01/27

藤月はな(灯れ松明の火)

人生を過ごし、若き日の理想や夢も遠くなり、ある程度の受容という名の怠惰と小狡さを得ても無意味に過ごす事に幾ばくかの疑問はある中、カフカの作品を読むと刺さる事がある。今回は不自由と責任を取らない気楽さは表裏一体の「ジャッカルとアラビア人」、自分に合わないだろうと思っていた事の意外性を描く「新しい弁護士」が刺さった。各短編にいしいひさいち氏による『現在思想の遭難者たち』でのカフカ章を思い出しながら読了。そして翻訳してくださった池内紀氏による解説が面白いので是非、ご一読を。従来のカフカ像が引っ繰り返りますよ!

2024/09/21

キジネコ

目的とする小説と、手段とする小説があるんだなあ…とアタシの脳にカフカな影が過る。見えてくるのは妄か現か、はたまた見果てぬ内なる地平か…その手段が未熟な私を別界へ誘う。カフカという御人の物語の不思議は、例えば鼠族の歌姫、例えば断食する芸人、例えば地下に果てしない巣窟を築く人間臭い謎の生き物…例えば彼の高名なる甲虫に、語らせる世情と、人其の物の理と不尽。皮肉な笑いが漂泊致します。安部公房の箱舟を思い。村上春樹の昏い地底湖に浮かぶ島で永遠の死を待つ私を思う。ほの暗い世界の現実が「お前は誰?」と問いかけてきます。

2020/08/23

ハイカラ

己の創作活動に対する自信と不安の現れのような話が多かったように思う。評価も称賛も必要とせずに小説を書くような人間がいるわけがない。カフカは自分の理想とする作品を書き求めながら、しかし日の目を見れず、いつか勝ち得る筈の成功をひたすらに夢見ていたのだろうか。面白い掌編短編だった。

2016/04/08

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