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パサージュ論 ((五)) (岩波文庫 赤 463-7)

パサージュ論 ((五)) (岩波文庫 赤 463-7)

パサージュ論 ((五)) (岩波文庫 赤 463-7)

作家
ヴァルター・ベンヤミン
今村仁司
三島憲一
大貫敦子
高橋順一
塚原史
細見 和之
村岡 晋一
山本 尤
横張 誠
與謝野 文子
吉村 和明
出版社
岩波書店
発売日
2021-08-19
ISBN
9784003246375
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パサージュ論 ((五)) (岩波文庫 赤 463-7) / 感想・レビュー

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壱萬参仟縁

図書館新刊棚。社会主義はふたつの羽をもつ、学生と労働者である(ピエール・デュポン『学生の歌』パリ、1849年、31頁)。本を読む人間が増えてゆくということは、[新約聖書で]パンも増えたのと同じことなのだ(35頁)。金持ちの贅沢を真似るなと貧しい人々に言っても、貧しい階級がより幸せになるわけではない(バルザック『文芸批評』44頁~)。一冊の本が、まさに一個のパンのように作られ、パンのように売られる、作者と消費者のあいだには、[版元を兼ねた]書店主以外に介入するものがないようにする(同バルザック51頁)。

2021/12/11

ころこ

「無為」という項目がある。この読書には主張が無いとして、そのことは果たして「無為」と言い得るのだろうか。「無為という条件の下では孤独は重要な意味をもつ。どんなに些細もしくは貧相な事件であっても、そこから潜在的に体験を解き放ちうるのは、孤独だからである。」哲学は現実の意味や効用を計ることから一旦距離を置き、それ自身を問い直すことでかえって意味が明確化される。ポテンシャルとしてではなく、有限化によって明確になるのかもしれない。有限化とは人生のことだったりして、その時にここに「無為」の項目があったことに気付く。

2023/08/12

かふ

ベンヤミンの引用集だからまとめようがないのだが、昨日横浜みなとみらいへ映画を見に行く途中にベンヤミンの『パサージュ論』が具現化しているのを見た。そして一句「たけのこやパサージュのシンウルトラマン」という句を作った(写真はつぶやきで)。「シン・ウルトラマン」が『パサージュ論』に相応しい。かつてのメシア的光の勇者だったものが、破壊と構築の資本主義社会の中の幻想(ファンタスマゴリー)の象徴として、夢から目覚めぬ五月の余韻の中で突然、装い新たに現れた。それはガラスドームに守られた虚像にしか過ぎない。

2022/05/06

ターさん

遂に読破した。「パリ国立図書館が私のもっとも望ましい仕事場である」ベンヤミンは「一瞬ひらめく形象」が、「次の瞬間にはもう救えないものとして失われる形象」と知りつつ蒐集したのか。膨大な量の断片は、確実に何かの中心を迫っていく。「無為に過ごす者が神に酷似している」[m4,6]そんな「孤独」で「無為」な「遊歩者」が『パサージュ論』を書き残した。ランボーについて「彼が沈黙してしまったのは明らかに、真の聴衆が存在しないためだった」[k1a,2]ベンヤミンが取り上げたのは、ランボーでなくボードレールだった理由なのか。

2022/09/05

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