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イタリア民話集 下 (岩波文庫 赤 709-2)

イタリア民話集 下 (岩波文庫 赤 709-2)

イタリア民話集 下 (岩波文庫 赤 709-2)

作家
イタロ・カルヴィーノ
河島英昭
出版社
岩波書店
発売日
1985-12-16
ISBN
9784003270929
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イタリア民話集 下 (岩波文庫 赤 709-2) / 感想・レビュー

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takaichiro

上巻に続き読了。下巻は南イタリア編。南北で明確な違いはない様に思えたが、若干南の方が”ゆるい?”(王族と庶民の関係が近い?)。子供達が理解できるレベルの内容で、サッと読めてしまう。それ故(?)脳裏に刻み込まれる印象深い作品を見つけられることができず。文学作品より、イタリアを理解するための良質な資料集の趣。下巻も男女の出会いや取り合いなどのテーマ作品が続く。男女関係への関心ついて、日本人が淡白なのか、ラテン系が強すぎるのか。本書だけで何とも結論付けられず、近い将来イタリアの旅で感じとってみたいと思う。

2019/12/30

KAZOO

下巻はイタリアの地域のローマより南の地域や志麻の民話を採取しています。全地域を歩いたのでしょうがよく200に収まったと感じます。ドイツのグリムに触発されてということですが、イタリア人の人となりを知るにはいい本だと思います。原注が、カルヴィーノなのでしょうが非常に参考になるくらい詳しいです。また訳者の河島先生の民話と文学があとがきの代わりに修められていますが、小論ですが読み出があります。

2015/08/24

shomma

上巻で読んだ話の変奏もあっておもしろい。気に入ったのは、【ほいほい,驢馬よ,金貨の糞をしろ!/人魚コーラ/エルバビアンカ/ツォッポ悪魔/この世の果てまで/気位の高い王女/ぼくの袋に入れ!】これを読んだとてイタリアのひとの心がわかった気はしないけれども(男女のいさかいは多そう)。ほかの地域の民話も読んでいきたい気持ちになった

2021/01/09

belle

シンデレラ、サンドリヨン。イタリア語ではチェネレントラ。いわゆる灰かぶり。世界中でお姫様の物語は語られている。下巻南イタリア編の冒頭は「木造りのマリーア」。ロバと王女やうば皮と同類のお話だが、こちらの木の服を纏った王女は水面を渡れるところが特徴だ。既視感のあるお話はどこか安心できて楽しめる。この民話集により、カルヴィーノが芽生えさせたかった~心の底のひそかな連帯感~を持った。原注にはカルヴィーノが手を入れたり、補完した部分も挙げられている。上巻は10刷。下巻は9刷。日本でも長く読み継がれている。

2020/01/25

roughfractus02

民話は、例えば「最初に通りかかった男に嫁いだ王女たち」で民衆と王の理想的関係を描いて読者の世界に教訓を与える。次に民話は他の民話との類似を隠さない(「眠れる美女と子供たち」と「眠れる森の美女」や「なつめ椰子・美しいなつめ椰子」と「シンデレラ」のようにヴァリアントとして)。さらに民話は特定の数、例えば「3」で聖書の三位一体や三博士等の物語を連想させる。南イタリア編(44編)の本書まで読むと、作者が短編を文学の最終形態と言う理由が理解される。声で語られた民話は印刷文字から溢れ出て読者の無意識に働きかけるのだ。

2019/03/16

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