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白い病 (岩波文庫 赤 774-3)

白い病 (岩波文庫 赤 774-3)

白い病 (岩波文庫 赤 774-3)

作家
カレル・チャペック
阿部賢一
出版社
岩波書店
発売日
2020-09-16
ISBN
9784003277430
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白い病 (岩波文庫 赤 774-3) / 感想・レビュー

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はっせー

白い病とは人間を大理石のようにしてしまう病気である。そんな病が流行っている世界のお話。この本が書かれたのが1930年代であったためこの白い病をスペイン風邪の時の話となぞらえて読者は読んでいたも思う。いまの時代でこの本を読むと想像するのは新型コロナである。内容も酷似しておりとくに一般市民の感情はまさに同じである。ここで重要なのは一般市民の良心である。作品の中で所々市民感情を読み取るところができる。嘘の情報に踊らされる。病とは違うところに注目がいく。まさに今の時代に読むべき文学の1つだと感じた!

2020/11/27

のっち♬

致死性の疫病の治療条件に恒久平和を提示する博士と軍拡を進める元帥。病は「白色人種の深刻な衰退」を意味し、欧州情勢の不穏の土台を民衆に見る作者。小さな共同体や個人との往還は理念対立を各スケールへと敷衍させる。絶対的地位の妥協知らずが祟って破滅する両者。受容が盲目的でも宿命的でも健全な理性とは言えないと保守よりも"戦士"的姿勢を提唱。執筆年齢(47歳)あたりで発症する設定や地位・属性の垣根を越えた世代交代には、自戒的な意味合いや前世代の癒しがたい「疫病」に囚われない人間愛実践への希望が込められているのだろう。

2023/04/07

KAZOO

感想を書いている何人かの方がコロナ関連で手に取ったといいましたが、私も本屋で表紙と題名にひかれて購入しました。この作家の「園芸家12カ月」「山椒魚戦争」などは読んでいたのですがこのような作品があるとは思いませんでした。書いた時代からみるとこの戯曲に出てくる人物がヒトラーを模しているということのようです。ただ博士などやその周りの取り巻きを考えるとあながち最近の事情ではないかと思われることもあります。

2020/12/03

hit4papa

50歳以上の人々を死に至らしめる疫病〈白い病〉が蔓延する軍国主義の世界。一人の町医者が治療法を発見し、成果を上げ始めます。治療法を公にせよ、と迫る為政者たち。医師は、公開の条件を提示します。それは、戦争を放棄し平和の道を歩むこと、…というお話です。1937年の作品(戯曲)ですが、昨今の社会情勢から、示唆に富む内容に唸ってしまいます。当時の時代背景的には、ナチス・ドイツへの反ファシズムのメッセージと捉えるようですが、歴史は繰り返すと思わざるを得ませんね。本作品のラストのような希望をもたらすことができるのか?

2021/09/12

美紀ちゃん

重い内容。衝撃的な結末だった。 治療薬を見つけた博士は 平和と引き換えでなければ治療薬を渡さないという。 戦争か?治療薬か? 国のトップたちはどうするのか? 現在のコロナ禍と似ているが、これは戦時下なのでもっと大変だったと思う。 群衆の愚かさが恐ろしい。心のゆとりがなくなるのは、今も同じだと思う。

2021/02/08

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