小論理学 上 (岩波文庫 青 629-1)
小論理学 上 (岩波文庫 青 629-1) / 感想・レビュー
Z
講義録で、昔『大論理学』に歯が立たなかったが、これは比較的分かりやすい。序論でこれからすることの要約と哲学史を振り返るがかなり纏まっている。特にカントの解説は優れていると思う。本題の論理学は有論で上巻終了。抽象的な有から話を始める。何かが有るではなく主語のない有そのもの。内容がなく対概念の無と大して変わらない。そこで定在と呼ばれる実在的なものへ話を移す。定在(実在)とは何か。内的な規定と外的な規定から見ていくが内的な規定としては何かしら質を持つことであり、外的な規定としてはある定在は他の定在と並んであるこ
2018/04/17
黄泉
「或るものを有限であるとか制限されているとか呼ぶということがまさに、無限なもの、制限されていないものの現存を証明しているということ、限界にかんする知識は、限界のないものが現に意識のうちにあるからこそ存在しうる・・・」。これだけでも全然、「小」論理学ではない。「無限」論理学。
2014/05/13
Bevel
真理は可変的なものであり、さらに「考えることは忘恩的である」とまでヘーゲルはこの本で書いていて、そこまで言いながらも考え続ける姿勢にすごいなって思った。真理は現存在と一致するものであるというところにもなんとなく共感する。あと、カントのカテゴリー批判や、ヤコービの直接知批判をしていた。
2009/12/12
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