ロシア革命史 5 (岩波文庫 白 127-8)
ロシア革命史 5 (岩波文庫 白 127-8) / 感想・レビュー
駄目男
いかなる体制もそのすべての可能性を汲みつくさないかぎり、舞台を降りないというマルクスの命題に依拠し、メンシェビキは、資本主義がまだ決して終えていない後進ロシアでプロレタリアート独裁をめざす闘いの可能性というものを否定した。メンシェビキの考え方の誤りは、民族的な視覚からも明らかとなり、経済学上の抽象論の観点から見れば、ロシアの資本主義はまだみずからの可能性を汲みつくしていないと主張でき、遂に1917年10月25日夜、第2回全ロシア・ソヴェト大会が開会される。あくまでも蜂起をソヴェト大会に合わせて行なうという
2023/08/06
nishiyan
2017年7月12日第2刷(2017年夏一括重版されたもの)。ロシア革命の当事者であるトロツキーが二月革命からソヴェト政権樹立までを豊富な資料と客観的な視点を元に著述している2巻本を文庫用に分冊した第5巻目。十月革命の顛末へと流れ込む。蜂起からソヴェト政権樹立。トロツキーが描きたかったことは特定の英雄的革命家ではなく、多くの偶然と労働者が立ち上がっていく労働者による革命史なのだろう。そのためかレーニンやスターリンといった人たちの姿はあまり目立たない。しかしトロツキーによるスターリン批判はなかなか手厳しい。
2018/06/17
juunty
民衆が突然、一斉に走り出した。国家権力も勝手に走り出した。大慌ての革命家がそれらを追いかけた。革命家が国家権力を捕まえたが、手に余る存在で、お互いに押し付けあった。ついに耐えきれなくなった革命家は、国家権力を窓から投げ捨てた。それを旅行から帰ってきたレーニンが、しっかりと抱きしめた。そこでソ連が生まれた。ロシア革命を要約するとしたら、このような感じだろう。
2021/03/07
屋根裏部屋のふくろう🦉
学生の頃、2月革命でツァーリが倒れてそのまま順調に10月に革命終了と思い込んでいたのがそもそも間違いだった。 2月以降は協調主義者(ケーレンスキー)が主導権を握りボリシェビキはこの時点では露ほども力が無かった。7月にはボリシェビキが頭角を現したが叩かれた。最後の最後10月の終わりにボリシェビキが一気に攻勢に出て覇権を取った。蜂起と陰謀はワンセットである。(所々でトロッキーから見たスターリンが批判的に書かれているのが面白い。レーニンもスターリンも出番は少ない。)
2017/12/03
それん君
ソ連も中国も社会主義国ではないことを再確認できる本。最後の付論が一番重要。
2020/12/31
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