ローザ・ルクセンブルクの手紙: カールおよびルイーゼ・カウツキー宛 (岩波文庫 白 140-1)
ローザ・ルクセンブルクの手紙: カールおよびルイーゼ・カウツキー宛 (岩波文庫 白 140-1) / 感想・レビュー
壱萬参仟縁
除籍本。第一次世界大戦頃の時代背景。一番大事な点は、娑婆の世界としばしば連絡がとれて、友人たちとしょっちゅう接触していることです、それから―ものが賭けること!(116頁)。獄中で思う自由とは何か? シュモラー(傍点)の間抜け学者が、国民経済学は18Cにおける近代国家の財政的ならびに官僚的必要の結果発生した、といっている箇所が、見つかる(149頁)。ローザは絵をかくことにたいへんな熱意を持ち、いくつかの立派な油絵を制作していた(165頁 注3)。
2015/12/09
ロビン
マルクス主義政治理論家であり革命家であったカール・カウツキーとその妻ルイーゼに宛てた書簡集。 政治上のやり取りも多く含まれているため、先にローザの略伝を読んでおいて正解であった。個人的な友人には寛容で温かいが、政治上の相手に対しては非妥協的で頑固であったり、論理的な議論をしたすぐ後に子どものようにはしゃぐなどローザの多面性を知ることができた。「下劣なことをする位なら死を選ぶ」強く深い高潔な覚悟と、生の喜びに敏感な詩的天分に裏打ちされた、朗らかな明るさに打たれる。師は「仏法の菩薩の境涯に通じる」と。
2023/02/04
CCC
背景知らずに読むもんじゃないなあと思った。とはいえ昔の著作環境が伺える箇所など、面白いところもあった。付録のマティルデ・ヴルム宛の手紙なんかも、えげつなくて面白かった。丁寧な文調や親愛なるといった修辞では、最早誤魔化せないほど皮肉全開。しまいには相手を赤ちゃん扱いしていて笑った。
2017/07/10
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