親鸞 (岩波新書 青版 853)
親鸞 (岩波新書 青版 853) / 感想・レビュー
壱萬参仟縁
図書館の本で、表紙をめくると野間氏から寄贈した旨、黒サインペンで直筆されている。貴重なもの。『教行信証』の教とは、念仏によって生あるもの全てが救い取られて真の浄土に生まれることのできる教え。行とは、念仏こそがあらゆる修行にまさる行。信とは、念仏を下から支え、誠の内容を持つ真実の信。証とは、念仏の行への確固たる信(49-50頁)。真の仏へ。
2013/05/01
あとがき
50年ほど前の小説家野間宏による親鸞論。親鸞のエッセンスといえば『歎異抄』となりがちだ。しかし、野間はあくまでも親鸞の自著『教行信証』を重視し、その解説に注力する。「興福寺奏状」といった背景事情の説明があり、なぜ『教行信証』がここまで引用に満ちているかを理解できた。 親鸞が呪術的要素を排した点や、往生の目的はあくまで解脱である点も頷ける。しかし、親鸞の浄土や阿弥陀仏の理解を、完全に脱神秘化、非神話化ないし非人格化して捉えることは、親鸞の思想を現代的に捉えすぎているようにも思える。
2024/02/04
ken
親鸞の思想についての評論。筆者の親鸞に対する深い造詣に驚かされる。親鸞の著書であり、その殆どが経典の引用からなる難解な『教行信証』についての分析が主な内容。恥ずかしながら『教行信証』をしっかりと読んだことはないのだけど、本書を読み終えて、その論理構造と浄土理論は大まかには理解できたような気はする。親鸞が特に重要視したの「信」であり、その金剛の信心を一度得ることができれば煩悩具足のまま、生きながらにして涅槃を得ることができると明らかにしている。親鸞の透徹した態度と強い根底に改めて感銘を抱いた。
2016/01/10
リール
1
2014/06/01
ルジャンパール究一
教行信証を読み込む野間宏に何故だか親近感を覚えた。
2014/04/16
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