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日本語の文法を考える (岩波新書 黄版 53)

日本語の文法を考える (岩波新書 黄版 53)

日本語の文法を考える (岩波新書 黄版 53)

作家
大野晋
出版社
岩波書店
発売日
1978-07-20
ISBN
9784004200536
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日本語の文法を考える (岩波新書 黄版 53) / 感想・レビュー

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夜間飛行

日本語の文法が日本人の物の見方や考え方といかに関わっているかを論じている。まず日本語の特質として、西洋語のように主語・述語の論理を重んじるより相手に気遣う点をあげ、そこから助詞「は」と「が」に対する独自の考えが導き出される。即ち「は」の上には既知が置かれ、「が」の上には未知が置かれるという既知・未知論である。これはウチとソトの区別に敏感な日本人の心性に基づくものである。話はやがて名詞、形容詞、動詞から活用形、助動詞へと及ぶ。文法と語彙に深く浸透した日本人の心性の話、また東西の力関係の話など興味は尽きない。

2018/01/05

佐島楓

言語学の入門書として、良い本である。古典語と現代語の比較、既知と未知などの意味上の分類など、わかりやすい。言語の分類は民族の文化に拠るところが大きいことがよくわかる。

2016/10/20

彩菜

著者にかかればつまらぬ文法がなんと生き生きと人間を映し出す事でしょう。万葉集から漱石、英語からサンスクリット語まで広い時間と空間を視野に入れ、著者は日本語について考えてゆきます。主語+述語から成る英語と違い日本語は主語を省略できる構造(主語による動詞変化がない)を持っており、それは見知らぬ人々が言葉によって初めて人間関係をつくる西欧社会に対し、同じ村の中で同じ農作業を繰り返す親密な社会と関連があるのではないかと思う事。動詞使用頻度が高く抽象名詞(善・悪・怠惰など)の少ない日本語と→

2024/06/17

gollum

文法というものは、大野さんというとおり、最も不幸な学問かもしれない。学校で悩まされるあんな複雑な大系が、どかんと降ってわいて来るわけがない。この本は、文法がというより、日本語がどこから来てどこへ行こうとしているかをダイナミックに示してくれる。係り結びの説明なんて目からうろこだ。文法の詳細を教える前に、あるいは平行して、この本のように成り立ちを説明する教育が必要ではないか。高校生の必読図書、と言いたい。しかし、動詞の活用の由来の解説を理解するのはさすがにしんどいが(^^)

2012/07/26

angelooo7

この人日本語上手いね。内容よりも文章自体の勉強になる。齋藤孝さんもこの人の日本語参考にしてるのかな。大野晋さんの本を読んで、内容でなく日本語と言うか文章、文体を学ぶための読書みたいな読み方をしたくなったね。次は井筒俊彦さん行こうかな。

2015/09/14

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