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文化人類学への招待 (岩波新書)

文化人類学への招待 (岩波新書)

文化人類学への招待 (岩波新書)

作家
山口昌男
出版社
岩波書店
発売日
1982-09-20
ISBN
9784004202042
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文化人類学への招待 (岩波新書) / 感想・レビュー

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i-miya

2010.06.19 P207 ◎はい、山口さん、私はこのように聞きました(大江健三郎)。息子の反応。エドマンド・リーチ『文化とコミュニケーション』。おこっている現実の多義性。レヴィ=ストロースだけ接ぎ木してどうする。ナイジェリア=ジェクン族。フローレス島=リオ族。マリノフスキー型、ヴィトケヴィッチ型。妙に照れくさがる性格。言葉。本の中で出会った新しい言葉を自分なりに苦労して納得することの大切さ。独学の強み。ある学問で重要な課題、特権的に優先される項目。

2010/06/19

壱萬参仟縁

適宜、図式や写真が垣間見れる。マリノフスキー『西太平洋の遠洋航海者』 1922年(2頁)。人類学は、家族の人間関係でも唯一絶対のものではないことを明らかにする(19頁)。ケーススタディが不可欠なようだ。交換は本来、文化のコミュニケーションの厚い層のなかに埋没し、文化を活性化させる原動力となっていた(29頁)。ジュクン族の女性は、亭主と喧嘩しても負けないし、圧倒。

2014/11/05

giant_nobita

本書は講演が元になっているので、文章の向こうには聴衆の存在があったわけだが、これが講演録であることを文体の平易さという面でしか意識していなかったため、最後に著者が5回全てに出席していた大江健三郎を紹介し、大江がそれを受けて感想を述べはじめたとき、「えっ大江いたの!?」と、まるで叙述トリックのミステリを読んだような衝撃を受けた。内容に関しては、第3章の、女性を否定的に扱う文化について、日常生活ではむしろ男性を圧倒する女性が建前の世界を男性に譲っているのだと論じた箇所が新鮮だった。

2018/09/29

ころこ

随分昔に読んで、再読するのに新しい本でと思い購入しようとしましたが、なんと現在では絶版でした。恐らく、近年の文系学部簡素化の流れで社会学部と一緒になったというのが真相でしょうし、通時的な文化人類学の視点は社会学を活性化するのは間違いのないところです。けれども、老婆心ながら文化人類学が廃れていくことで、表面的な事象にしか興味のわかない若者を増やしているのではないかと案じます。昔は文化人類学と記号論が大きな力を持っていました。フロイトの精神分析がオイディプスの神話から可能性を引き出した様に、女性とモノとの交換

2017/04/27

Hatann

冒頭で文化人類学は直接に役に立たないと言及し、表層の部分ではなく深層の部分で役立つのだとする。人間の無意識を研究対象とする深層心理学が一定の対処療法を可能にするのに対して、社会の無意識を研究対象とする文化人類学が直接に役に立たないというのはしようがないのかもしれない。しかし、文化人類学は自分たちの文化を相対化するきっかけを与えてくれるものであり、特にヨーロッパ的社会と非ヨーロッパ的社会のふたつに触れる我々として認識しておいてよいところだ。この入門書では、交換・女性・政治の象徴的構造を例示してくれている。

2018/11/13

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