問題群: 哲学の贈りもの (岩波新書 新赤版 45)
問題群: 哲学の贈りもの (岩波新書 新赤版 45) / 感想・レビュー
ころこ
著者の以前の本とうって変わって、哲学者(哲学者、文学者、宗教家)の固有名を意識的に頻出させている。15の問題群に対して、哲学者を書名と共に比較して論じる。13ページずつなので、性急で詰め込み過ぎの印象は否めないが、固有名があった方が議論の方向性が予測できるので案外と読み易い。全く哲学に触れたことがない読者には固有名はインプットする項目になってしまうので、読者によって非常に印象が変わるのではないか。例えば6章はスピノザ、サド、カント。意外な組み合わせを楽しみ、必要な時に参照項として利用するために手許に置く。
2023/04/26
amanon
先に読んだ『術語集』に比べると、内容がやや高度ということで、些か理解が怪しいところもあるが、概ね興味深く読めた。目次にざっと目を通したたけでも、古代ギリシャ哲学から、現代思想、果ては空海の名前さえあり、著者の目配りの広さに脱帽。もちろん、単なる知識のひけらかしに終わらず、独自の考察を加えているのはさすが。個人的にはその空海にO.パスなども交えて論じたリズムについての考察がとりわけ興味深く読めた。考えてみれば、リズムというのは人間の本性と深く結びついているはずで、更なる考察が必要ではないか?という気がする。
2016/08/28
qwel21
問いを創りだすこと。そして未知を知りたいと思い考える行為へ誘うこと。それこそが哲学の贈り物。
2010/05/13
V
手について考えたことはあまりなかった、外在化された脳としての手は脳一辺倒の現代において身体を私に引き戻した。行きすぎた連想としてタコが浮かんだ。
nana252
適切な問題こそが重要である。言語ゲームは時として目眩のような美しさを見せるが、それも問題があってこそだ。哲学とは何が問題なのかを探すことなのかもしれない。
2015/01/31
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