KADOKAWA Group

Facebook X(旧Twitter) LINE はてブ Instagram Pinterest

豊かさの精神病理 (岩波新書 新赤版 125)

豊かさの精神病理 (岩波新書 新赤版 125)

豊かさの精神病理 (岩波新書 新赤版 125)

作家
大平健
出版社
岩波書店
発売日
1990-06-20
ISBN
9784004301257
amazonで購入する

豊かさの精神病理 (岩波新書 新赤版 125) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

KAZOO

この書かれた時というのは、バブルがはじけたころなのでしょう。様々な症例が書かれていますが、ものを持つことによって安心するという症例が多くあるのでしょう。これを再読していて、最近の中国旅行者の日本での買い物の仕方を思い出してしまいました。あまり関係はないのでしょうが、身近にある実例のような気がします。

2015/07/23

クナコ

初読。著者作は「やさしさの精神病理」既読。バブル時期の羽振りの良かった人々の精神科での「よろず相談」の記録。自身の身代のステップアップを身につけるモノの高級化をもって考える若者たち。人との付き合い方もモノの分類のように考え、扱えるとする人々。好景気に沸き、(おそらく都心のではあるが)一般職でも高級ブランドに容易く手が届く中、人付き合いもプレゼントの額やモノのやり取りを基準に考える。人間関係をモノ化し人付き合いの葛藤を避ける処世術により、かえって抱えた葛藤の対処が下手になっている、という見方は面白かった。

2024/10/25

オザマチ

モノを『学歴』や『就職先』に置き換えれば、今でも通じる部分があるのかな? 家族などの話はより複雑化しているかも。

2013/10/05

ばー

分かりやすく興味深い。人間を「モノ」として捉える精神構造を、筆者自身の、患者との面談という実体験を通して論じた一冊。ブランド、グルメ、ペット、性等、現代人の精神に潜むある特徴がそれらを通して見えてくる。なんとも難しい時代なんだなあとつくづく思う。ただ、症例として数多くの「モノ」が登場するが、それはすなわりより多くの選択肢を持っているということで、それだけ何かの代替品が数多すぎるほど周りに存在するということだ。それは代わりが効き過ぎるということであって、そういう意味では僕らは非常に豊かなのだろうと思う。

2013/08/26

アルゴン

★★★ モノ語りをする人たちのエピソード、ならびに考察。その「モノ」の中身を見ていてえらく贅沢な品が多いなと思って刊行日を見ると、バブル真っ只中の1990年でした。その時期なら尚更モノに踊らされた面はあるでしょう。パイオニア本としての価値を評価すべきで、内容に関しては問うてはいけないんだろうなあ。

2016/08/25

感想・レビューをもっと見る