日本の近代建築 上: 幕末・明治篇 (岩波新書 新赤版 308)
日本の近代建築 上: 幕末・明治篇 (岩波新書 新赤版 308) / 感想・レビュー
コットン
辰野金吾らを教えたコンドル先生は「人柄はおだやかで、目にはいつも遠くを見つめているような深い光があり、学生に接するときも…日本の人々への何か敬意に近いものさえ含んでいた。…日本美術が人々の日々の生活の中に生きている点に心をひかれていた。…日本画を習得し、生花と庭園のそれぞれについて古典的名著を残し…自宅に踊りの出稽古に来てくれた花柳流の師匠を妻とした。」とあり、魅力的な人物だ。
2012/12/10
かっぱ
日本の近代建築の黎明期。日本の西洋建築がどのような変遷を辿ってきたのかがよく分かります。インド、東南アジアを経て、東ルートでやってきたヴェランダコロニアル建築、アメリカを経て西ルートでやってきた下見板コロニアル。この時代ならではの冒険技術者の活躍、そして、地方で棟梁たちが建てた見様見真似の擬洋風の洋館がおもしろい。
2013/11/03
壱萬参仟縁
通訳案内士の日本歴史にでも出そうな建物は、第一国立銀行(95頁)、工部大学校講堂(168頁)、三菱一号館(178頁)ぐらいか。
2013/06/27
コーデ21
ここ数年、近代建築巡りが趣味の私、クラシックな外観を愛でるだけでは飽きたらず、近代建築に至る道筋を少々勉強したくなったため手にした本作。これまで読んだことのある藤森氏の「看板建築」関連本同様、素人でも分かりやすく多彩なエピソードを積み上げてくれてるので、とても読みやすかったです。ただ、導入部をヴェランダコロニアル建築から始ってるのにはビックリ(´艸`)お雇い外国人による近代西洋建築から日本人建築家の登場までワクワクの連続でした。建築物の写真が掲載されているところも花丸☆ 下巻も楽しみです♪
2017/03/30
月猫夕霧/いのうえそう
幕末にヨーロッパの建築様式が入ってきてからの建築様式の流れを説明している本です。今まで個々の建物の様式を説明することは有っても、この本のようにヨーロッパから東回りで入ってきた様式と西回りで入ってきた様式が日本で出会うとか、世界を股に掛けたスケールで様式の変遷を語る本には出合ってなかったので、とても分かりやすく感じます。とりあえず下巻も買いましたので、引き続き読み進めます。
2021/07/31
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