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やさしさの精神病理 (岩波新書 新赤版 409)

やさしさの精神病理 (岩波新書 新赤版 409)

やさしさの精神病理 (岩波新書 新赤版 409)

作家
大平健
出版社
岩波書店
発売日
1995-09-20
ISBN
9784004304098
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やさしさの精神病理 (岩波新書 新赤版 409) / 感想・レビュー

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KAZOO

大平先生が書いてきた精神病理というと難しく思われるかもしれませんが心に悩みのある人々への相談についてのいくつかの本の最終的なまとめの本となっています。確かにここにはいくつもの例が掲載されていますが、このような先生が相談に乗ってくれたら悩む人も少なくなるのではないかと思われます。まあそのような例しか載せていないのではないかと言われればそれまでですが、読んでいてたしかにやさしい視線での対応を感じました。

2015/12/05

パフちゃん@かのん変更

1995年の本なのでポケベルなんていう懐かしいアイテムも出てきましたが、新しい「やさしさ」については違和感なく読めました。しかし、著者は精神科医なのに、来る患者がちまたの人生相談っぽいのばかりで不思議です。明らかに分裂病(今では統合失調症)の患者が一人だけいましたが、あとは本当に人生相談。20年前の精神科ってそんなに敷居が低かったか?要するに、身近な人には心配を掛けたくない「やさしさ」ということですね。やさしい=心が弱い・・・という感じがする。結婚したくない症候群はこのころから増えてきたのかもしれない。

2014/11/05

TakaUP48

従来の人間関係における「やさしさ」は、相手が自分の気持ちを察してくれ、我が事のように受け入れてくれる時に感じるもの。新しい”やさしさ”は、相手の気持ちに立ち入らず熱い人間関係が苦手。情報化社会の中で、変容するコミュニケーションスタイル。『支離滅裂』症状の患者のノイローゼの原因は、目を離して亡くしてしまった愛犬。彼の究極の”やさしさ”は縫いぐるみの純粋ペットのリス。想定外の事例や理解難しい事例が次々と出てきて、筆者の言う「面接はドラマ」に引きつけられて読んでしまった。現代の『やさしさ』は、どうなのだろう。

2021/06/24

あこ

1995年初版。面接の場面やその会話も含めてやさしさについての語りを堪能。ホットな「やさしさ」とウォームな“やさしさ”。(物言わぬ)縫いぐるみの“やさしさ”。治療としての「やさしさ」から予防としての“やさしさ”への変化。“やさしい” 人々は「決断」がなかなか難しい。困っても、〈親しい人には相談できない〉というパラドキシカルな状況におちいり、“やさしさ”の呪縛とでも言うべき閉塞状況から逃れて精神科を訪れるという。「自分で解決できるほど些細なことでも」というところが特徴だろうか。

2021/04/17

テツ

「やさしいひと」と言われたときに想像されるぼんやりとした姿ってきっと時代によって変わるんだろう。ホットな優しさとウォームな優しさ。べったり密着する優しさと、過度に立ち入らない優しさ。どれが正解だという話ではなく、その時代の不特定多数の人間に一番求められる優しさの形を体現すればいいという話でもない。他人や社会の評価とは関係なく、僕自身が素晴らしいと思えるような優しい人間の形に到達するように生きていきたいなと思う。

2019/04/10

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