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日本の「私」からの手紙 (岩波新書 新赤版 424)

日本の「私」からの手紙 (岩波新書 新赤版 424)

日本の「私」からの手紙 (岩波新書 新赤版 424)

作家
大江健三郎
出版社
岩波書店
発売日
1996-01-22
ISBN
9784004304241
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日本の「私」からの手紙 (岩波新書 新赤版 424) / 感想・レビュー

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かふ

「あいまいな日本の私」と対となる講演や書簡。クロードシモンに当てた手紙はフランスが核実験したことの抗議へのセミナー?参加中止。作家であるべき政治的な態度表明はその後のギュンター・グラスの往復書簡でも被爆国として非戦の考えを述べる。それはアジア諸国への反省、特に韓国・朝鮮にはノーベル賞以後最初の訪問で日本の戦争に対しての過ちを認める。また講演ではユーモアのセンスも感じた。日本の政治家の想像力のなさ。

2023/04/05

やまねっと

大江健三郎の講演や往復書簡、短い散文などが載っている本。 大江氏は世界を取り巻くことから文学で世界に訴えかけようとしているのだと感じ取った。 大江氏は今の北朝鮮や中国を取り巻く環境、アフガンのことをどう感じているのだろう?聞いてみたい気もするが…。フランスの核実験に思うことやオウム真理教の事件に対する文学者としての敗北感は読んでいてとても考えさせられる内容となっている。 大江氏が話す史観や私感についてはとても励まされた。 ヒロシマノートを読んでみたいと強く思った。

2021/10/14

amanon

本書が出てから二十年近くを経た今日、著者の願いや意向とはほぼ正反対の方向に社会が進んでいることに唖然とせざるを得ない。愚直なまでに民主主義を信奉する著者のあり方には批判の声もあるだろうが、それでも僕自身はその姿勢を尊いものだと思うし、残り少ない人生もその姿勢を貫いて欲しいと願わずにはいられない。また、いくつかの文章が読売新聞に掲載されたものというのもちょっとした驚きだった。政府の提灯持ちと化したと言われる現在の読売新聞が果たして大江のこのような文章を掲載するだけの懐の深さを持ち得るだろうか…と。

2015/01/07

寛生

99年に読んだ本

しお

本当に良い本だった。大江さんの講演を読んだのはこれが初めてだが、彼の偉大さが小説だけでなく歴史と向き合う姿勢にもあるのだと心底思った。「天皇が人間の言葉で話した日」の小説のような語り口はあまりにも美しく、ストレートな意見の訴えよりよほど心の深部に届いた。文学(物語)の力はこういうところにあるのだと思い、大江さんの未来を真剣に見つめる眼差しに感銘を受けた。

2022/05/10

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