ロシア・アヴァンギャルド (岩波新書 新赤版 450)
ロシア・アヴァンギャルド (岩波新書 新赤版 450) / 感想・レビュー
amanon
その名称から、何となとも言えない憧憬を抱き、その手の本を目にするとその都度手にとってはいたものの、結局よく理解しないまま、年月だけが無駄に過ぎてきた感のあるロシア・アヴァンギャルド。改めてその概要を知ると、ロシア革命がもたらしたであろう途轍もない高揚感と期待感、そしてその後襲った未曾有の恐怖政治というギャップ、そのギャップに翻弄され、それどころか死に追いやられる数多の文化人達の姿に、言いようのない悲哀感を覚える。馴染みのない用語に全く注釈がついてないのが、不満だが、あえてそうしたとのこと。類書を読むかな。
2023/06/11
はる
全体主義の起源に西欧アヴァンギヤルドが時代のエリートたちとして評価されていた。エリートは三文オペラのブレヒトだった。全体主義運動にあって、そのような見方が炙り出されるのかと少し眩暈がした。手元の本を手にした。ロシア・アヴァンギヤルドが創造した芸術は数名の人たちの作品しか知らなかった。図版も余りなく、運動に作り上げた作家の名前がこれでもかと照会され、入門者には興味湧く内容だった。→
2022/12/22
oDaDa
著者の亀山郁夫はあの光文社文庫新訳の「カラマーゾフの兄弟」の誤訳で名高いが、それはまぁ置いておくとして。ロシア・アヴァンギャルドとはソ連創成期に起こった芸術運動。私的にはタートリンの「第三インターナショナル記念塔」がシンボルなイメージ。社会主義の赤き旋風吹き荒れるロシアの地に生まれただけあって、どこか洗練された独創的な芸術様式。結局これもスターリンによって疾走を絶たれてしまったんだな。。。カンディンスキーの画集をいつか買うことに決意。今日はショスタコーヴィチの「交響曲第5番」を聴いて寝る。
2014/02/01
さえきかずひこ
書かれてる内容も凄いのだが、亀山郁夫の文章のこのゴリゴリときちがいじみて迫ってくるドライヴ感、悪くないなぁと心から思うのでした。
2015/09/30
の
1910-30年代にロシア・ソ連で起こった芸術運動ロシア・アヴァンギャルドを解き明かす。様式や伝統に反対するモダニズム運動に影響を受けてロシア構成主義が起こり、革新性を求める社会主義政府のプロパガンダとして発達するも世俗化や自由化に発達した為政府に弾圧されたといったところか。古来から芸術と政治は不可分でこの運動もロシア革命とスターリン主義の中でこそ発達できたのではないかと思う。現在の共和制ロシアでは否定意見も多いようだが日本人の私にはロシア文化の一つとして受容し新たなロシア文化の起こりに期待したいものだ。
2011/08/09
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