正念場: 不易と流行の間で (岩波新書 新赤版 608)
正念場: 不易と流行の間で (岩波新書 新赤版 608) / 感想・レビュー
壱萬参仟縁
除籍本。「記憶にありません」、「憶えていません」、「思い出せません」という無責任かつ逃げ口上の台詞(6頁)。困ったものだ。政治家が無責任過ぎる。著者は、学校のいじめ問題の原因を、<痛み>についての訓練あるいは文化の喪失に求めている(34頁)。確かに、人の痛みのわかる人、思いやりのある人に、と、人間が赤ん坊の時に親は誰もがそう思う。だが、実際は、長続きせず、下手すると虐待もあるぐらいだ。本書は日本システムの危機を根底から抉る本にも思える。
2013/11/04
amanon
『ソフィーの世界』も二十年前のことになったんだ…前書きを読んでそんな感慨に囚われた。著者が危惧していたように、そのブームも一過性に終わり、文科系はますます隅に追いやられる昨今、本書が扱っているトピックは今でも今日性を持っているということに驚かされる。テクノロジーをテーマにしているエッセイが多いのが印象的だが、恐らく当時のネット普及とシンクロしているのだろう。帯に「身についた哲学の再生のために」とあるが、そんなものとは程遠い現状にあって、それでも草の根的に何かをやっていかねば、という気にさせられる。
2016/09/10
mcpekmaeda
新聞に連載されたエッセイを一冊にまとめたもの。1990年代後半の世相を哲学者の眼ながめた感じ。表層をサラッと撫でているという感じだった。
2016/11/17
platoon
90年代の知的イベントを取りまとめたエッセイ。間口が広いが書き流し。時分の花とまことの花は調べてみたい。サカキバラ事件と頭取の自殺については賛同できない。
2012/01/30
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