似顔絵 カラー版 (岩波新書 新赤版 675)
似顔絵 カラー版 (岩波新書 新赤版 675) / 感想・レビュー
kaizen@名古屋de朝活読書会
浮世絵も似顔絵の一種だと考えることができるかもしれないことを本書で気が付きました。 横山ノックと黒柳徹子の後姿の似顔絵が特徴的でした。 似顔絵と肖像画の違いは、似顔絵は批評を含むことが示されています。 それだけだと、本人から訴えられるので、人間味が一番大事なようです。 風刺の裏には、必ず人間性が大事だと分かりました。 似顔絵について、一面的なものだけでなく、全体としては幅広く紹介しています。岩波新書百一覧掲載http://bit.ly/10CJ7MZ
2012/07/04
kinupon
それぞれの人物に個性があり、表情も加わり楽しめました。
2015/10/26
寝落ち6段
肖像画の一種である似顔絵。似顔絵とはどういう絵画なのかを、自身の経験や江戸時代の浮世絵、他社の作品、テレビの発展などを交え、解説している。似顔絵で不思議なのは、まるっきりそっくりでもないのに、「あ~わかる」と思えてしまうところだ。モデルの個性をその人の特性や社会的立場、周囲からの視点などをもって表現している。それがあまりにも真に迫っては不快感があり、かけ離れてしまえば共感もできない。その微妙なラインを画家の感性と経験と技術で表現する。ただ絵が上手なだけでなく、社会を具に見ていないと描けないのだと知った。
2020/11/21
kinkin
似顔絵は絵画による人物論、反骨精神に満ちた著者の似顔絵、似顔絵塾生の 個性的な作品などに加え、テレビ時代の笑いという章は興味深く読めた。 たがが似顔絵、されど似顔絵と最後に締めくくられている。
2014/01/30
KJ
似顔絵は人物論である。見事に特徴を捉えた似顔絵は絵を見るより字を読む様な声を聞く様な感覚にさえなり得る。たった一枚の似顔絵が如何なる評論や解説をも凌駕する迫力で当該人物を語り掛けて来る。顔は人間性そのもの。如実に人格が映し出される事に改めて気付く。描く人物によって発想が生まれ技法まで多彩に変化する。画風に制約が無く作品毎に全く違った表情を見せる所が面白い。本物と瓜二つなら肖像画になる。破壊的誇張で本物とズレながら似ている事を積極的に面白がる。見る側の感性も試される。似顔絵を通して笑いの本質にも触れられた。
2021/02/11
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