戦後文学放浪記 (岩波新書 新赤版 678)
戦後文学放浪記 (岩波新書 新赤版 678) / 感想・レビュー
hirayama46
自作についての回想や、第三の世代の作家たちとの思い出を綴った一冊。戦後文学を包括的に紹介するものではなく、あくまでも安岡章太郎個人にとっての文学をどう放浪してきたか、を書いた本でした。構成にややゆるいところもあり、過去作を既読なファン向けな本とも言えますが、語り口は老練で、穏やかに楽しめました。
2020/05/15
悸村成一
関係ないかも知れないが、そー言えば、ファックス以外、Internet、PC、ワープロ等の話は一箇所も出てこない。図書館本。130
2018/09/09
本命@ふまにたす
安岡章太郎が、戦後の文壇を背景としつつ自らの作家としての歩みを振り返ったエッセイ。安岡の興味が最終的に「歴史」に至ったのが興味深いが、本書だけからその理由を考えるのは難しいかもしれない。
2020/07/20
unterwelt
『戦後文学放浪記』という書名だが、著者の自叙伝という方が正確かもしれない。作家になるまでから『海辺の光景』までの話は面白いのですが、それ以降になるとだれているというか緊張感がなくなっている感じがして、福田和也が『作家の値打ち』で書いていたことは的を得ていたのではと思う次第。
2019/02/02
まどの一哉
「第三の新人」という呼ばれ方をしていた安岡・吉行淳之介・庄野潤三・小島信夫・遠藤周作などの世代は、比べれば少し上の島尾敏雄・椎名麟三・梅崎春生らとは違うのかもしれないが、今になってみるとそれぞれ各作家の個性の違いのほうが大きいと感じる。そして誰しも自分達がそれまでの世代と比べて中途半端な、確固とした立場を持てない世代だと自覚するのは、現在でも同じではないか。
2018/01/13
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