市場主義の終焉: 日本経済をどうするのか (岩波新書 新赤版 692)
市場主義の終焉: 日本経済をどうするのか (岩波新書 新赤版 692) / 感想・レビュー
KAZOO
昔読んだ再読です。著者の言わんとするところには同感できるのですが、どうも理論で説得したいのかもう少し現実的な資料分析によって主張したいのかが明確になっていないような気がします。最近時点での資料を駆使して分析すれば著者の言わんとするところの裏づけとなるのではないかと思われます。内容的には今から15年前に書かれているのですが、今でもその言わんとするところは変わっていないと思います。
2015/08/06
Masatoshi Oyu
2000年の本だが、第三の道やポストマテリアリズムへ、といった提言は大体正鵠を射ていたのではないだろうか。 低成長時代に、平等を所得分配だけでなく、排除されているかどうかという基準を導入し新たに再定義すべきとの提言は、宇沢弘文の社会的共通資本の議論とも接続しうると思う。つまり社会的共通資本へアクセスし、それが享受できるかどうかで再分配や平等の達成具合を考えることができる。そうとすれば、やはり何を以て社会的共通資本とするかということも重要になってくるだろう。
2020/05/13
トダ―・オートマタ
本書は民主党政権に当てはめると「事業仕分け」の危険性の書いていると思った。あれはすぐに金になるかどうかが基準であると思うので、仕分けはせめてその専門家同士で決めたほうがいいと思った。
2011/06/25
muu3
2000年発行であるが、けして古い内容ではなく、現在の状況を言い当てている部分もあり、今読んでも「なるほど」と思う部分が多い。経済学について無知な時に一度読んでいるが、経済学を勉強した後に読むと更に理解が進んだ。文章のリズムも良く、とても楽しく読み進められた。
2015/01/19
Hisashi Tokunaga
サッチャリズムやレーガノミクスにとっての平等は機会平等、能力主義。さてこの結末は、勝者の数に倍する敗者である。競争のはてに多数の敗者が社会に沈殿することになる。痛烈な経済自由主義批判と警鐘の先駆けとなる書。
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