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ソウルの風景: 記憶と変貌 (岩波新書 新赤版 749)

ソウルの風景: 記憶と変貌 (岩波新書 新赤版 749)

ソウルの風景: 記憶と変貌 (岩波新書 新赤版 749)

作家
四方田犬彦
出版社
岩波書店
発売日
2001-09-20
ISBN
9784004307495
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ソウルの風景: 記憶と変貌 (岩波新書 新赤版 749) / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

タイトルには「ソウルの…」とあるが、実際は韓国社会の諸相をとらえたもの。残念ながら出版後20年を経ている。著者が本書出版の21年前に滞在していた頃の韓国をしばしば回想し、その激変ぶりを慨嘆しているが、その後の20年も大きな変化があったと思われる。ただし、四方田の視点がけっして表層的ではないので、今読んでも取り上げられている事象は古くても、本質は掬い取られていると思う。現在もまた日韓関係が冷え込んでいるし、さらにはコロナ禍によって交流もままならないが、こうした時期にあらためて韓国について考えてみたい。

2020/08/03

かふ

著者である四方田犬彦は、映画本を読んでいたので(本人は映画評論家ではないと言っているそうだ)、なんとなく購入していた。韓国映画ブームもあったのか、そのへんのことも書かれていて面白い。ここで書かれているにはひと世代前の韓国のことで、韓国では世代間ギャップが日本以上に激しいという。それは、韓国フェミニズムが日本以上に進んでいることからも伺えるだろう。ここでは、そういうフェミニズム的な話は一切ない。以下、https://note.com/aoyadokari/n/n99f0d581820b

2022/06/07

まちゃ

2000年代の風景なため古くはあるが著者が実際に見たソウルの街について書かれているので、信頼性のある記述だった。入国審査の緩さは10年前も今も変わらないっぽい。韓国が政策で1954年の民族光復以来日本文化を禁止していた間も、実際には非公式に複写した日本映画が入手できていたなど水面下での文化交流は続いていた点など意外にも日本文化の需要はあったようだった。

2021/11/27

たす

映画史・比較文化を専門とする研究者が、1979年と2000年にソウルに長期滞在した際の経験を元に、大衆消費社会の到来と伝統への回帰といった様々な国で見られる内容と共に、朝鮮戦争や民主化運動、日本の存在といった韓国特有の事情を絡め、1979年と2000年を比較しながら考察していく。2000年以後の日韓ワールドカップや韓国ドラマブームしか知らない私にとって、「近くて遠い国」という韓国が確かに存在していたことを実感させられた。文才のある著者なので、外国での長期滞在エッセイのようにも読むことができ、面白かった。

2023/07/17

二人娘の父

映画や文学が専門の著者による、約20年前のソウル(韓国)社会の雑感。そもそも1979年に訪韓した際のことを振り返る内容で、そこには私の知らないソウルのにおいが濃厚にたちこめている。映画「JSA」「ペパーミントキャンディー」の背景も詳しく解説されている。この記録からさらに20年以上が経っている。いまのソウル(韓国)は、著者からはどう見えているのだろうか。

2023/05/24

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