ダルタニャンの生涯: 史実の三銃士 (岩波新書 新赤版 771)
ダルタニャンの生涯: 史実の三銃士 (岩波新書 新赤版 771) / 感想・レビュー
鐵太郎
ダルタニャンというフランス文学史に名高いヒーローの実像を描いた歴史ノンフィクションです。佐藤賢一氏は、「二人のガスコン」という小説で、これをふくらませたフィクションを書いていますが、厳密に言うとあちらの方が先(2001/1~3)。とすると、あちらを書くための資料が、このノンフィクションに結びついたと考えてもいいのかな? おそらくは、積み上げた資料をためつすがめつしているうちに、こんな面白い資料をこのまま腐らせるのももったいない、となったのではないか?
2005/04/02
金吾
三銃士のダルタニアンに実際のモデルがいたこととその生涯を著者が詳細な追っていったことに驚きました。小説ほどではないですが、最後まで含めてなかなかの軍人であると感じます。アトス、ポルトス、アラミスも同郷であることやアトスのあっさりした人生もビックリしました。
2024/01/20
スー
驚きました、ダルタニヤン、アトス、ポルトス、アラミスが実在していたなんて。しかも全員ガスコーニュ出身、ガスコーニュはたびたびフランスの前線になり、山が多く貧しい為に屈強な男が多く優秀な軍人を多く輩出し、英仏百年戦争で活躍したグライー、ライール、サントライユもガスコーニュ出身。ダルタニヤンは忠実で人柄も良くルイ14世に信頼され田舎の貴族から近衛隊隊長に出世し伯爵になり、親族やガスコーニュ出身者の面倒を良くみたので部下からの信頼も厚く戦死した時は部下達が銃弾を掻い潜り遺体を収容した程でルイ王もその死を嘆き
2018/07/05
俊
三銃士のダルタニャンは実在の人物で、尚且つ子孫が現在も存在しているらしい。小説に出てくる歴史上の人物は、実際の人物像とはかけ離れた描写がなされたりして、現実との差にショックを受けることもあるけれど、ダルタニャンに関してはそれほど大きな落差は感じなかった。所謂「ヒーロー」ではなかったけれど、職務に忠実なだけでなく、人情もわきまえた優秀な軍人だったようだ。役職を金で買ったりしていたそうだが、当時は公に認められていたことみたいだから、それはそれで人間臭くてありかなと思う(笑)。三銃士の後の物語も読みたくなった。
2014/05/10
Takayuki Oohashi
昔、ある架空のイギリスのような王国の第三王女の親衛隊の話を考えたことがあります。その王女の名前はアリアスといい、隊長の名前はゲラルドといいました。この本の史実のダルタニャンも銃士隊の隊長だったとありました。そして、ルイ十四世の直属の部隊だったそうです。財務長官フーケの逮捕と護送のシーンがこの本のクライマックスでした。デュマの「三銃士」は子供向けの物語でしか知らず、内容も忘れてしまったのですが、これを機に再び挑戦しようかと思いました。そして未完だったアリアス親衛隊の話もまた再度、考えてみようかと思いました。
2016/07/03
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