いまどきの「常識」 (岩波新書 新赤版 969)
いまどきの「常識」 (岩波新書 新赤版 969) / 感想・レビュー
香菜子(かなこ・Kanako)
いまどきの「常識」。香山リカ先生の著書。世間で常識とされていることが本当の意味での常識なのかどうか、常に疑いの目を持って考えることが必要。常識も非常識も紙一重。常識が非常識に変わったり、非常識が常識に変わったり、そんなことは日常茶飯事なこと。常識、非常識の枠にとらわれない自由な発想を忘れないようにしないと。
2018/11/04
佐島楓
自分にしか興味を持たず、他者は切り捨て、自分の信じたいものしか信じない・・・。「ちょっとおかしいぞ」とつぶやきたくなるような話題を、人間関係から仕事・経済、国家・政治にいたるまで、幅広く捉えた本。「平和」「反戦」という単語を口にしただけで議論に参加させてもらえなかったという著者。やはり「おかしいな」と思って当然であるし、その「おかしさ」が一冊の本にまとまるくらい存在するということも憂慮しなければいけないと思う。
2013/05/06
梅干を食べながら散歩をするのが好き「寝物語」
人の心の問題や生活のあり方、政治の動きなどで「常識」とされていることについて「ちょっと違うんじゃないか」と考え直すことの重要性を著者は訴える。クリティカルに物事を見る視点を忘れないでおこうと思わされた。2006年の刊行なので、取り上げられている時事問題については賞味期限が切れている部分ある。しかし、時代を超えて普遍的に理解できる内容が多分に含まれている。Twitter上でネトウヨから香山氏が嫌われる理由がわかる内容である。日本の右傾化にノーを突きつけている著者の考え方に賛同できた。
2020/11/13
tolucky1962
10年以上前の書ですが、まさにいまどきの問題を、精神科医として個々の心の内側で何を考えているかから解きほぐしている。誇りを持とう、強気になろう、はバブル崩壊後自分や社会の不安・恐怖を打ち消すのが目的とか。原因不明の社会問題に納得するための理屈としてゆとり教育・女性の社会進出・ITが選ばれたとか。リベラルの香山さんらしく批判すべきあたりを批判している。無意識に大勢につくことで安心したくて大きな声にばかり同調する人も集団も、違う意見が見えなくなっている危うさ。
2016/08/22
ダンボー1号
2005年発行と10年前の本。情報は古いがより悪化している問題多く聞くべき声もある。自分は筆者の新書5冊以上読んでいて共感するが支持できない、ついつい反論したくなるのは自分も右に寄ってきてるのだろうか。今はこういう考えなのね?昭和の私と違うわね。程度で終る。1990年ごろまで右寄りの意見が叩かれていたのがいつの間にか逆になってきた。国際的には日本さえよければいい、もめ事に巻き込むな、といういい時代はいつまでも続かないだろう。今同じテーマで書くとページ倍以上必要でしょう。全くよくなってはいない。
2015/04/05
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