スロ-ライフ: 緩急自在のすすめ (岩波新書 新赤版 1010)
スロ-ライフ: 緩急自在のすすめ (岩波新書 新赤版 1010) / 感想・レビュー
KAKAPO
>いちばんのカギは「緩急自在」の「自在」の部分にあります。自れが在る―自分が緩急のペースを選び取るということでしょう。人は何のために生きるのか、人が作った集団・組織が何のためにあるのかを忘れない。すべてを解くカギは「自発性」だと思う。「自発性」が保てるとすれば、苦しみの先に歓びがあるからだ。そして、このことこそが「学ぶ」ということの本質ではないだろうか。真の「ゆたかさ」とは「心ゆたか」であることであり、そのためには、やっている当人たちが、それを楽しみ、おもしろがり、快いと思わなくてはならない。
2018/10/19
吟遊
趣旨はシンプルだし、良心的な分、甘さを感じられるひともいるかしれないが、ともあれ、一貫した態度で生き抜いた筑紫哲也さんらしい総括。エッセイには人柄がにじみ出るね。テレビ業界という生き馬の目を抜くところにいながら、スローライフ実践をしたのだからすごいよ。
2016/12/08
shiaruvy
★4 「2006.05.15 2刷」 スルメ本。 人によって「幸せ」を計るものさしは違う。 愛国心(郷土愛)と国家主義は違う。 なるほど...。 そんなスローな生活目指した人が70代前半でお亡くなりになるとは,人生わからんなぁ〜。
2012/02/22
えてぃ
スローな生活に興味を持っていた矢先、図書館で見つけたので読んでみました。 「人生は仕事以外の時間の方が多い。どのペースでありのままに生きるか」 「道草をしない、効率だけを求める生活は果たして幸せなのか」 「散歩を小さな旅と捉える。ひとつだけ目的を決めたり、ぶらぶら歩いたり。そこに非日常が生まれる」 「真の豊かさとは、心が豊かなこと。金、時間、空間のゆとりは、心の豊かさを得る手段に過ぎない」 「強いて人生に勝ち負けをつけるなら、臨終にああ面白かったと思えるかどうか」 考えさせられる言葉が所々にありました!
2020/08/19
鯉二郎
テレビのニュースキャスターで、もっとも親しみ、信頼していた筑紫哲也。ニュース番組で今日は何を語るかと待ち遠しくテレビの前にいた頃を思い出す。テレビから彼の姿が消えて久しいが、彼の残した言葉は今でも生き生きと輝いている。この本では、音楽や映画など彼の得意分野の考察にはじまり、地球の環境問題、世界の食糧問題にまで話を広げている。要するに、出世と金以外にも人間として価値を高めるものを探そうという問いかけである。ただ、残念ながら、彼の没後、彼の憂えた人間の生活や日本および世界の情勢は良くなっているとは言えない。
2020/01/20
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