ルポ改憲潮流 (岩波新書 新赤版 1014)
ルポ改憲潮流 (岩波新書 新赤版 1014) / 感想・レビュー
hatayan
2006年刊。権力の暴走に歯止めをかけるはずの現行の憲法を作り替えようとする政財界の動きを報告。 世襲議員に色濃く残る「国民の命が守られるなら多少犠牲が出るのはやむを得ない」とする為政者の本音。安全保障への価値観が日米で同じと言い切ることはもはや憲法9条を放棄したようなものと指摘。改憲に時間を要すると判断した政権は2014年に集団的自衛権の行使を可能にしました。 住基ネットや改憲に一貫して批判的な著者の煽りがやや過ぎる感はありますが、安倍政権以前から改憲が活発に論議されていたことがわかる一冊です。
2019/11/19
おかむら
10年前の本ですが、自公で三分の二超えちゃった今読むと潮流の勢いが恐ろしいです。日本会議勢力による改憲とは別に財界による改憲のことがわかって(今頃ですが)、政財界のエライ人たちだけで国を動かしてるのなーと改めて思わされたよ。あと特高警察のこと、日本軍の重慶爆撃のこと、台湾蕃族(先住民)の抗日事件のことなど、もっと色々知りたいこと出てきた。
2016/08/23
kinkin
憲法、これからどうなるのか・・・、憲法の解釈変更を閣議決定、これはやっぱりおかしい。内容は私には難しかったが、なんとか終わりまで読めました。世の中は右に傾きが大きくなってきたにかな。
2014/07/06
coolflat
初版は2006年。いわゆる第一次自民党憲法草案に関する様々な動きを追っている。財界の動きが興味深い。9条を見直したい理由として、自国の防衛より、市場経済秩序維持のための国際協力・国際貢献に重点を置く。これは旧来右翼による復古調的な主張とは違う。軍需景気だけを当て込んだものとも異なる。2015年の解釈改憲を読むと分かるが、この解釈改憲は復古的右翼の考えではなく、財界の考えに沿っている。復古的右翼の代表みたいに言われる安倍だが、安倍自身は復古的右翼を利用しているだけにすぎなく、財界の操り人形だというのが分かる
2016/06/10
ほじゅどー
★★★小林節教授が激怒する自民党憲法改正案。国民に愛国心を持たせ、家庭の大切さを自覚させるのは国民への説教。国会議員には国民に託されて権力を行使するという意識がなく、国民を支配する発想。立憲主義は日本人にはそぐわない、人は自由を制限することで自らの存在理由を見つけるとまで言う伊藤信太郎議員。国家の利益をそのまま己の利益にできる立場。民主党案も危険。戦後70年以上国民に受け入れられてきた憲法の内容や近代立憲主義の理念を根本的に覆そうとするのなら、そこには徹底した国民的議論の積み重ねが伴わなければならない。
2016/07/08
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