少子社会日本: もうひとつの格差のゆくえ (岩波新書 新赤版 1070)
少子社会日本: もうひとつの格差のゆくえ (岩波新書 新赤版 1070) / 感想・レビュー
mitei
日本が少子化する原因などが、どこかの只々産めよ増やせよと説教しか出来ない年寄りと異なり、きちんと分析されていた。逆に昔は単純で良いなと思った。しかし本書は10年前くらいに発刊されたのにまったく色褪せないことに驚いた。それだけ日本社会に大きくブレずにのしかかっているんだなと実感した。
2016/05/27
うえ
欧州でも「80年代に出生率が下がる一方だった国々がある。イタリア、スペインなどの南欧諸国と西ドイツである。南欧…は日本と同じように、結婚するまで親と同居する習慣が強い…70年代に入り、イタリアでは…経済成長の反動があり、成長率は鈍る。その結果、若年男性の収入が相対的に低下し、親同居未婚の女性の結婚相手が少なくなるという、日本と同じロジックが進行した…ドイツは…成人すれば親から独立して生活することが一般的…しかし、専業主婦志向が強く(子育て労働の条件が整うのが遅れ)起きたのは、既婚夫婦の出生率の低下である」
2018/07/30
ゆう。
少子化は、その現象を科学的に分析することはとても大切なことです。しかし、結婚や恋愛、子どもを産む産まないは、国家が介入するべきではありません。著者は、そこを慎重に扱って分析していると思いました。内容は、必ずしも僕の意見と一致しているわけではないですが、希望の持てる社会を築くために、誰もが安心して暮らせ、見通しがもてるよう、労働市場をはじめ働く環境や社会保障充実などが求められます。ただ、パラサイトシングルなど少子化要因としてどこまで科学的証明が出来ているのかは、この本を読んでも課題として残ると思いました。
2014/01/27
tolucky1962
日本の少子化問題を正面から捉える。若者の経済的な問題が最大の原因とする。格差と雇用状況を直さないとならない。それとともに日本文化として親が子をつけ放さないためにおこるパラサイトシングルも問題。恋愛の自由化と結婚との分離も。他国とも比較し現状の対策の問題点と対案を提供している。若者が本当は結婚し子供を持ちたいんだからそのうち何とかなると思っていて、したくてもできない経済的状況であることに気づかなかった政治家官僚の責任は大きい。
2015/09/18
Ayakankoku
15年以上前に書かれた本。コロナ禍になり未婚化、少子化にまた大きな変化があったのだろうと思う。その辺りも気になる。諸外国の状況など含めて勉強になった。
2022/06/04
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