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親鸞をよむ (岩波新書 新赤版 1096)

親鸞をよむ (岩波新書 新赤版 1096)

親鸞をよむ (岩波新書 新赤版 1096)

作家
山折哲雄
出版社
岩波書店
発売日
2007-10-19
ISBN
9784004310969
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親鸞をよむ (岩波新書 新赤版 1096) / 感想・レビュー

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KAZOO

親鸞について、書かれた様々な評論をまとめたもので、序章と最後の章が書き下しになっています。親鸞を知るためには奥さんであった恵信尼のことを知るのがいいだろうということで最後にもってきています。仏教の世界では親鸞はかなりな長寿であるようです。90歳ということでブッダよりも長生きし、道元や法然よりもはるかに長寿です。妻帯ということもあるのでしょうか?

2015/10/12

nbhd

親鸞さんはいっつも「私は決して答えじゃないよ」みたいなスタンスをとるものだから、著者が選んだ「からだでよむ」という方法もアリだと思うし、というか、それしかない、とも思える。宗教学者が親鸞さんに直観主義的接近を試みた本。「よむ」が、ひらがな表記なのがミソ。たとえば、親鸞さんが生涯で歩いた距離を地図を眺めて推測するとか、肖像画や筆跡をじいっと見つめて性格を思い浮かべるとか、遍歴した土地の風景を思いいる、とかすること。親鸞システムというのは「永久に思考を促す運動機関のようなもの」かも、と直観的に思った。

2016/05/03

kenitirokikuti

山折が2000年代前半に書いた雑文集▲第五章 原題「親鸞における「内なる天皇制」」:『教行信証』から親鸞の神祇観を読む。「化身土」末尾が『論語』「ひといずくんぞよく鬼神につかへんや」▲第七章 恵信尼にきく(書き下ろし);恵信尼文書は大正10年に発見。親鸞が亡くなり、娘覚信尼が母恵信尼に宛てに信書を送る。恵信尼(当時81歳)の返信が書状第三通。

2019/12/19

壱萬参仟縁

アタマではなく、体で読むとは? 13世紀という時代的文脈からすると、飢餓や天変地異にも見舞われ、90歳まで生き切ることは(22頁)至難の業であったようだ。「三帖和讃」とは『浄土和讃』、『高僧和讃』、『正像末浄土和讃』(33頁)。ものすごく歩いたこともわかる(2千キロ25頁)。まさしく、体で修行、社会の現場を読んでいる。現代のフィールドワーカーだったのだろうか。船にも乗っている(66頁~)。体で理解する。なかなか、深い修行だと思える。

2013/06/06

すのさん

親鸞の著書を分析したものかと思いきや、読んでみると著者が親鸞に関して思いのままに徒然と記していく、まるで随筆のようで予想外。しかし『教行信証』と『歎異抄』の悪人正機の差異に関しては興味深い。『教行信証』では悪人正機にも条件があり、極悪の悪人に関しては「善知識」と「懺悔」が必要だとする。他にも「神祇不拝」と「神祇否定」に関する問題もある。親鸞は天神に帰依し、祀ることなかれという一方で、『往生要集』などを引用して鬼神の生態を詳しく述べる。親鸞の神祇観は一言では言えないそう。『教行信証』や「和讃」に着目する。

2020/08/29

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