四コマ漫画: 北斎から「萌え」まで (岩波新書 新赤版 1203)
四コマ漫画: 北斎から「萌え」まで (岩波新書 新赤版 1203) / 感想・レビュー
スプリント
4コマ漫画の歴史が葛飾北斎まで遡るとは知りませんでした。4コマ漫画は新聞掲載でお馴染みですね。
2018/10/28
ぐうぐう
四コマ漫画にだけ焦点を絞った、めずらしい漫画論。私達がイメージしやすい、いわゆる四コマ漫画は、昭和の初め、新聞連載の漫画によって形成されていくのだが、四コマ漫画の源流とも言える漫画が江戸時代にすでに存在していたことに驚かされる(そこにはすでにコマがあり、ギャグがあるのだ)。四コマ漫画史の流れが非常にわかりやすく書かれている。しかし、ただ歴史を追うだけの記述は、漫画論としてはいささか寂しい。
2009/09/05
TK
初めは四コマ漫画の歴史について触れているが、次第に漫画の紹介が中心になっているように感じた。著者の研究者としての考察がもう少し欲しかった。四コマ漫画は庶民の生活を詳細に記録してきた貴重な歴史資料という考えは良かった。
2018/07/15
留々家
日本における「四コマ漫画」ジャンルの成立について緻密に研究・紹介したまぎれもない良著。コマ漫画が王座をコミックに譲り、また人々の関心が「家庭生活」から「経済活動」に移ると「サザエさん」たちも舞台を退いていった。しかしながら四コマ漫画は、ひとたび目に入れば4コマ目まで読まざるをえない魔力を持つ表現形態であり、これからも社会に利用されていく可能性を持っている。ところで現代の「転・結」の弱い萌え四コマは「正チャンのばうけん」への先祖返りといえるのだろうか
2015/11/25
山像
タイトルの“「萌え」まで”はほぼ釣りに等しく、実質的には新聞漫画史という風情だった。読む前は戦前漫画についての知識はなく、手塚治虫が現代に繋がる漫画表現を全て生み出したというような理解でいたけれど、いやはや当時から実に豊穣な漫画が存在していたことに舌を巻く。『男やもめの巌さん』(p77)の叙情性や、『正チャンノバウケン』(p60)のモダンでお洒落な雰囲気などは、それ単体でも「戦前漫画=貧困」という図式を引っ繰り返すのに充分だった。海外のcartoonと相互に影響を与え合う共進化のような側面もあったという。
2015/09/14
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