女の一生 (岩波新書)
女の一生 (岩波新書) / 感想・レビュー
ヴェネツィア
詩人の伊藤比呂美さんの語る「女の一生」。ただし、彼女はそれを綿々と散文に綴るのではなく、悩みの相談に答える形をとっている。したがって、語りの文体は話体と文章体の中間的なスタイルで、わかりやすい。これを読んでいると、女性とは一生を通じてなんと悩み多きものかと思う。日本の文化的土壌ゆえに、男性なら悩まなくてもいいものを背負わされているというものも少なくないのだが。もっとも、中には「母親がジャニーズにハマって、家中がポスターだらけ」なんていうのもあるのだけれど。彼女の答えはいずれも、いたって明快である。⇒
2021/12/09
ehirano1
慌て者の私めはモーッパッサンのオマージュもしくは新しい解釈ではないかと勝手に勘違いして手に取ってびっくりwww。しかししかし、著者の恋愛に対する考え方「あたしはあたし」の中身はまさに組織における人間関係に適応できると思いました。
2023/10/01
アキ
NHK理想本箱で紹介されていた本。女の人生に悩みは尽きない。更にここ日本という事情が加わる。アメリカで暮らした著者程、人生相談に適切な人はいないと思えるほど、言葉に重みがあります。彼女の言いたいことはただひとつ「あたしはあたし」「あたしらしく生きる」ことが目標と。母が娘を「愛する」「期待する」「心配する」は、娘には「呪われる」「支配される」「つきまとわれる」に近いもの。その母が死ぬ前に「あんたがいて楽しかったよ」と。その瞬間、呪いが解けた。著者も死ぬ前に、3人の娘にかけた呪いをなんて言って解こうか考え中。
2022/02/04
mike
新聞の相談コーナーを担当している伊藤さん。相手に寄り添いながらもサバサバと明快に答えているのがとても良い。彼女が女性のさまざまな悩みにお答えした本で期待したけど、今一つ。何故か?相談をあまりにも簡略し過ぎていて何が悩みなのか伝わらないものが多い。例えば地声って何ですか?とか小学校の女友達に会いました等。彼女の答えは「あたしはあたし」を貫け、だ。嫌なら別れろ、夫であろうと親であろうと。伊藤さんの住むカリフォルニアで60の女を婆さん扱いしたら生きて帰れないそうな。70は中年、80でも90でも最後まで女なのだ。
2023/05/21
佐島楓
この本に出会えたことで、わずかではあるが、生きるうえでの勇気がわいてきた。母娘関係で悩んでいる方に特におすすめしたい。
2018/02/23
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