日本問答 (岩波新書)
日本問答 (岩波新書) / 感想・レビュー
KAZOO
このお二人の本は何冊か読んでいるのですが、さすがにこのお二人が対談をされると自分の頭までが覚醒されるような感じになってきます。それだけに読みやすい素晴らしい本でした。日本の根源的なものを時代を超えてさまざまな文献などから探っていきます。編年体的な話ではなく、さまざまな時代から時代へ行くのがいいですね。再読候補の本です。
2018/09/19
アキ
日本が好きで日本とは何かを知ろうとしてきたお二人の対話の内容が凄すぎて、ほんの僅かしか理解出来てないと思う。繰り返し言われてたのは「デュアル」という方法。漢語と和語、真名と仮名、神と仏、儒と仏、天皇と幕府など。中と外をうまく折りたたみできてきた。また国家の言葉に注目し、十七条の憲法から使われてきた言葉と明かされる。聖徳太子の時代から国の家と呼ぶほど、家は普遍的なのだろう。おふたりとも子どもの頃、色っぽい世界に触れていたという共通点がある。田中氏は「やつし」、松岡氏は「もどき」を方法論のキーワードに挙げる。
2020/08/09
しゃが
知的なエキサイティングな対談だった、お二人は江戸文化研究者田中優子さんと古今東西の書物への造詣が深い編集工学者松岡正剛さん。日本を知り、考える材料となった。「内なる日本と外なる日本」「善と悪」「表と裏」「天皇と将軍」「神と仏」など日本の歴史文化、思考、価値観の二つのモノ・コト・イシキで出来上がってきた、本来多様性で構築されてきたと古今東西の歴史から紐解いていく。ほとんど「へぇ~」の連続、消化できなかったことも多かったが、面白い。それでも感想をまとめるのは難しい、この本のさすがなところかもしれない。
2018/01/11
壱萬参仟縁
日本問答とは日本について問答する、日本に問答をふっかける(ⅱ頁)。田中先生:大事なのは個人や個性の質。社会に何をおこしたのか、歴史から何を引き出して何を付け加えたのか、どのような言葉を与えたのか、多様な働きを通して質を見る(18頁)。松岡先生:石門信学は講席童話。門下の手島堵庵がそれをノウハウ本のほうに広げた。日本の陽明学も質からいうとかなりあやしい(26頁)。田中先生:インド人もイスラム教徒以外は現実の生活に根ざした家庭のなかの信仰で育ち、かならずしも普遍宗教に拠ってはいないということです(131頁)。
2018/06/17
スプーン
舌を巻く対談本。日本は何もかも受け入れる「和」の国であり、歴史には「内と外」があると説く。(私が)無知過ぎて感想が書けない一冊。
2022/01/25
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