大岡信 『折々のうた』選 短歌(二) (岩波新書 新赤版 1814)
大岡信 『折々のうた』選 短歌(二) (岩波新書 新赤版 1814) / 感想・レビュー
KAZOO
大岡さんの折々のうたから水原さんが選んだ短歌の第2集です。1と2で「四季の歌」「恋の歌」「人生の歌」と分けて古今集の部立に倣ってまとめてくれました。大岡さんの解説が再度読んでも簡潔でわかりやすさがあります。このように日本の短歌を一覧で鑑賞できるのは至福のひと時です。水原さんの解説も楽しめます。
2020/05/22
糸くず
「どれほど中身が新しくとも、三十一音の短歌定型自体は、千三百年前から、抒情に濡れた七七の共鳴装置で、共同体の意思に唱和し続けて来た権力の器である。夥しく作られた戦争協力の歌は言うまでもない。一首の歌を詠むごとに、私たちは、その器の根源的な闇を自覚して抗わなければならないのだ。」第二巻の「人生のうた」の部は、まさに「権力の器」である短歌が持つ「根源的な闇」への抵抗の記録。苦しければ小声で歌ひゐし君も記されむ唯手術死の一例として(相良宏) あしざまに 国をのろひて言ふことを 今の心のよりどころとす(釈迢空)
2020/05/21
わらのいぬ
再読。
2023/06/14
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