KADOKAWA Group

Facebook X(旧Twitter) LINE はてブ Instagram Pinterest

江戸問答 (岩波新書 新赤版 1863)

江戸問答 (岩波新書 新赤版 1863)

江戸問答 (岩波新書 新赤版 1863)

作家
田中優子
松岡正剛
出版社
岩波書店
発売日
2021-01-22
ISBN
9784004318637
amazonで購入する

江戸問答 (岩波新書 新赤版 1863) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

KAZOO

前回の日本問答の時は江戸時代ということではなく日本に関する時代を超えての対談でしたが、今回は江戸時代のことに絞って話をしておられます。最初に令和についての話がありますがそこから発展して面影、浮世、サムライ、いきという題材についての問答がされています。お二人の読んでいる本の凄さが伝わります。

2021/03/23

佐島楓

様々な角度から江戸を語りつくした、密度の濃い対談。知らない固有名詞ばかりで(特に人名)、自分の不勉強を実感した。歴史として、明治以降とそれ以前で分断がある気がしてしまっていたが、それは違う。ひとつながりのものとして、広い視野で物事を見ていかなければならないと感じた。

2021/03/02

パトラッシュ

知識人の名にふさわしい両名の丁々発止の江戸文明論が何とも楽しい。多少は研究書を読んで知っていたつもりが、全く知らないエピソードの連続で圧倒された。現代より法や空気が緩やかで学問が興隆し、多様性が認められる江戸社会の魅力が浮かび上がる。政治が安定して文化が花開き、参勤交代や商業の発展で情報伝達が早くなった江戸時代を経たからこそ明治日本は統一国家として成熟できたのに、日本人は自分たちの精神構造を規定した江戸を知ることを怠ってきたのか。コロナ禍の今だからこそ、自国を問い直す絶好の機会ではないかと痛感させられる。

2021/05/07

tamami

著者お二人の博学さが半端なく、挙げられている人名や書名を読むだけでお腹一杯になりました。二人はそれぞれの子ども時代に感じた日本の面影から出発し、浮世、サムライ、いきと問答を重ねていきます。その中で、実に多くの事柄がまな板に乗り、解釈・位置づけがなされていきます。明治以来の反江戸?意識もあってか、我々は自分の身の回りにある江戸を見ようとはしない。けれども現代にも生きる多くの方法や対象がその中に蔵されている。それを再び見出すことで日本の文化はもっともっと豊かになる、そんなヒント集として本書は読めるように思う。

2021/03/20

Sakie

江戸と明治の間には断絶がある。西洋の流儀を知った時に、日本人は自前の文化に倦んでばっさり捨てたのだと言う人があったが、いずれにしても江戸に栄えた文化の様相を、私たちは断片的な知識とイメージでしか知らないという事実をお二人の対話から知る。人々は趣味や行事の集まりごとにいくつも参加し、人や情報の繋がりが縦横無尽だった時代。多層的な知が変異し深化し、その多様さが経済的な活性化にもつながっていた豊かな時代。それが連綿と現代に通じていることを私も実感したいので、私なりの好奇心で江戸のことをもっと知ることにする。

2021/08/09

感想・レビューをもっと見る