ロボットと人間 人とは何か (岩波新書 新赤版 1901)
ロボットと人間 人とは何か (岩波新書 新赤版 1901) / 感想・レビュー
おせきはん
ロボットが人間に近い存在になったとしても、人間を相手にするときほど気をつかわなくてよいのはロボットの優位性の一つだと思いました。ロボットが人間に近づいてきた後は、石黒先生がおっしゃるように人間が機械(無機物)になっていくのでしょうか?アンドロイドの研究開発を通じて人間の心や体の本質に迫っていく様子を興味深く読みました。
2022/01/25
けい子
この先生は遠隔操作やロボットの研究を30年ほど前から発表してきたにも関わらず広く普及しなかったらしい。「人の存在に関わる技術は簡単には社会には浸透しないから」だという。しかし、突然コロナ禍になり一気にこの技術が使われるようになるが、それは30年前のものらしい。確かに使いにくい。本書での遠隔操作で特に興味をもったのは、30分くらいのトレーニングで「考える」だけでロボットを操作できるようになる実験結果だ。これすごくない?。この技術が広まれば病気で体を動かす事ができない人達の助けになれる。…続く↓
2022/04/15
さちめりー
いつか人間の脳がコンピュータに置き換わる未来が来るのだろうかと考えていたところに、図書館の新刊コーナーであのロボット研究の第一人者の書くこの著書と目があった。主には現在の実生活でのロボットやアンドロイドの姿かたちや会話や身振りや倫理などについて解説が続く。文章や写真だけでは自分の想像力が及ばないためアンドロイドたちの様子を動画で確認しながら読み進めた。遠い人間の未来予測も描かれる。それは〈無機物の知的生命体〉だという。まさに機械の身体。きっとそうなる。どうしても拒否の感情がわいてしまうのはなぜだろう。
2022/02/20
jackbdc
”人の気持ちを考えなさい”少年時代の著者が突き当たった問いが原点。ロボット研究の第一人者がロボットや人工知能の知見を基に”人とは何か”を掘り下げる内容。豊富な実例と平易な言葉で綴られており脱落の不安はない。構成面では本文の途中で〈表記〉により要約が記述されているのが新鮮な体験だった。通例であれば冒頭や章末に配置される。このように途中に配置される事により、単なる要約では無いと感じられる。つまり本文に記述していないより広い文脈から著者があえて”気付き”として抽出しているような生々しさを感じる配置であった。
2021/12/25
FuSa
自分そっくりのアンドロイドやマツコのアンドロイド(マツコロイド)を作成した有名なロボット研究者のここ10年ほどの研究についてまとめたもの。ロボットの話なんだけど認知科学とか心理学とか倫理、哲学の話を読んでいるようだった。ロボットを作ることは人間を理解すること。本書を読めば納得。石黒先生の好奇心、発想力と行動力、研究として実現する力は改めてすごいなぁと感じた次第。SFの世界の実現がすぐそこまで迫っているような感覚になった。
2022/02/14
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