岩波新書で「戦後」をよむ (岩波新書 別冊11)
岩波新書で「戦後」をよむ (岩波新書 別冊11) / 感想・レビュー
KAZOO
岩波新書を1945年から2015年まで10年毎の区切りにして、それぞれの10年間づつに3冊の岩波新書を選んで、3人の学者がそれぞれ内容について討論をしています。岩波新書で見る戦後の社会情勢とでも言うのでしょうか?全部で21冊ですが、私の読んでいたのはたった4冊でした。もう少しよんでいると思っていたのですが。宇沢先生の「自動車の社会的費用」が入っていたのには、やはりとうなずかされました。ほかの本も読んでみたい気はします。
2015/09/30
壱萬参仟縁
日高六郎『1960年5月19日』(26頁)は持っているが、学部のゼミで鶴見俊輔氏のテキストの重要参考文献としてレポートした覚えがある。樺美智子氏が犠牲となったが、この間の強行採決絶対反対デモで犠牲者が出なかったのは安堵。あれだけの人が集まっていること自体、いざこざがあるのは必然に思われたので。宇沢弘文『自動車の社会的費用』(123頁~)も好著。成田氏曰く、宇沢先生は市民、人間性を軸に考えているという(131頁)。
2015/10/09
しょうじ@創作「熾火」執筆中。
【15/11/19】昭和天皇とバブル経済とともに野辺送りされた感がある「戦後」を、7区分・21冊の岩波新書を導きの糸として読み解こうとした試み。収奪と抑圧とに、「知らない」ことで加担しないためにこそ、忘れないこと。そして現在と未来は変えていけるとし続けること。さらに、希望を紡いでいくことの重要性を、改めて提起したものと思っている。
2015/11/19
Takayuki Oohashi
普段、読まないタイプの本でした。取り上げられている新書もどちらかと言えば、社会の構造を表している本が多かったような気がします。大平健さんの「やさしさの精神病理」という本の、貧困という因子が抜けていて、現代は行動主義的な対処になっているという点と、湯浅誠さんの「反貧困」という本の、現代のセーフティーネットが綻んでいるという点が印象に残りました。ただ、論者全員が論理的な議論が好きな方のようで、読んでいて、左脳ばかり使っている感じで疲れました。
2016/05/27
浅香山三郎
全7章からなる。戦後70年の2015年刊なので、1章は10年ごとの区切りである。個人的には、第5章(1985-1995年)の区分の岩波新書は、リアルタイムではないが読んでゐて、6・7章の新書はほぼリアルタイムで読んでゐる。逆にそれ以前のものは、宇沢弘文『自動車の社会的効用』(1974年)を読んだかな、といふ程度である。それ以前のものは読む機会が無く、本書によつて知ることができた本ばかりである。著者3人の対論により、時代背景や社会的な価値観の違ひも分かり、新書の問題関心の普遍性と時代性の両方が領解された。
2024/01/06
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