短編小説を読もう (岩波ジュニア新書 524)
短編小説を読もう (岩波ジュニア新書 524) / 感想・レビュー
タルシル📖ヨムノスキー
読書を始めた頃から考えると、だいぶ長い小説も読むようになったけれど、やっぱり短編小説が好き。特にバラバラだと思っていた物語がゆるーく繋がり、最後にギュッと凝縮する連作短編集。「短編小説は、長くても2〜3時間で完結する。決してお邪魔にならない礼儀正しい物語」という一文に共感。読書は最も安価で手軽に始められる趣味。本を読む理由については「楽しいから読む」と一言。これについては拍子抜けというか、「あっ、趣味なんだから、そんなんでいいんだよね」って感じ。本を読むことにたいそうなお題目なんて必要ないんだ。
2021/06/15
とめきち
ジュニアに短編小説の素晴らしさを伝える本。「短編小説は礼儀正しい。なぜなら長くお邪魔しないから。つまらなかったとしても、そういう考えもあると心に留めておくだけでOK」←タイパ社会に刺さるメッセージ!著者は父から薦められた『二宮金次郎』より、父の書棚からこっそりみた『世界裸体美術全集』の方がすごい鮮明に覚えていると言う。興味をもって自ら手を伸ばすことが大事!ジュニア向け新書なのに一章まるごと松本清張をごり押し!さすが阿刀田先生!週末はコーヒーと銭湯とビールと松本清張があれば十分楽しめる!←激しく同意(笑)!
2024/08/02
spica015
短編小説を取っ掛かりとして、読書の楽しみ方を教えてくれるエッセイ。短い分、どんどん新しい作品に挑戦することができるし、読んでそこから何かを得ようとしなくてもよい、というスタンスが素晴らしい。翻訳小説が好きで色々読んできたが、日本の小説も面白そうな短編が沢山揃っていることに気付いた。特に中島敦の作品は舞台を日本に限っておらず、ユニークなものが多そうなので読んでみたくなった。後は志賀直哉の『赤西蠣太』。浄瑠璃っぽい話と思ったら、「伽羅先代萩」の基となった伊達騒動のことを描いているのか。これは是非読まねば。
2016/07/12
mizzan72
短編小説を題材に、少年少女に読書の勧めを説いた一冊。幅広いジャンルが取り上げられているが、少年少女に読みやすく、という配慮からだろうか、ミステリー系が多い。大人になってから、とんと読まなくなってしまったジャンルだが、松本清張を久しぶりに読みたくなったな。各小説の要約が、意外に文章を書く勉強になる。
2015/02/23
藤花@ママライフ奮闘中
ミステリ愛好家がホームズを読むと「ああアレね」とトリックが分かってしまうように、阿刀田氏のエッセイに慣れ親しんだ者にはお馴染みの話題かも。阿刀田氏に感化され中島敦やチェーホフを読み漁った日々が懐かしい…。今度は山本周五郎を読んでみようかしらん。
2014/03/15
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