アニメーションの世界へようこそ カラー版 (岩波ジュニア新書 538)
アニメーションの世界へようこそ カラー版 (岩波ジュニア新書 538) / 感想・レビュー
マウリツィウス
【山村浩二さんによる世界水脈】アニメーション作家として文学主題の動画を多数産出/創出している山村浩二さんによる連続性描写の製作プロセスとアニメーション史。いわゆるジャパニメーション到来以前の起源と意義を理解することが可能、デザインや彩度が重視される以前に構成された《バベルの本》の完成水準は極めて高く、また構築美に優れる。ボルヘス、カフカのポストモダン原型を最新ジャンルにおいて再現表現した東欧アニメーション再現者として実に頼もしい方で未来における動画/記号/表象媒体を十分に閲覧できる好著。可視化記号論展開。
2013/06/18
saorino
アニメーションの歴史、作り方、自分がクリエーターになるまでの軌跡がとても丁寧に書かれており、生きることを愛おしく思えるような本だ。 NHKのショートアニメーションを作っていた方が筆者。そのキャラクターを見れば、私のようにああ、あの人ね!と気づく方も多いと思う。 アニメーションクリエーターなのに、言葉を通してアニメーションの魅力が伝わってくる。柔らかく、丁寧に編み込まれた文章が素晴らしい。ぜひ今度、作品を観てみたい。アニメーションの世界への入口としては、とても読み易いと思う。
2018/09/22
富士さん
日本の芸術系アニメーションの第一人者による啓蒙書。本来こっち系には関心がなかったのですが、偶然手に入れたので。読んでみると、商業アニメとは違う芸術系アニメーションの歴史観や作品観がうかがえて興味深く読めました。あまり深入りすると底なしですが、芸術系といえども少なくとも赤字はまずいわけで、商業アニメをより知るためにこちらの知識も必要なのは必至なようです。特に歴史的な面では制作量で圧倒するからと言って無視するのは大事なところを黙過しかねない危険があるような気がします。当然、逆側からもそれは言えると思いますが。
2016/05/26
茶
作者さんも、その作品も知りませんでした。 アニメーションにもいろいろな表現方法があって、広い世界だと思いました。
2019/02/05
ぷほは
カラーもありがたいが、アニメーションの基礎知識をサクっと手に入れられる良書である。海外の作家たちで知らない名前もよく出てくるし、具体的な撮影方法なども色々勉強になる。山村自身は「商業アニメ/アート・アニメーション」という区別を安易に持ち込むのは懐疑的なようだが、やはりその作品が「どこで」評価されているのかを、海外の映画祭や国内のマスメディア等と比較すれば、自ずとその境界線は見えてくるように思われる。国内の批評言説の中で、これら短編アニメーションが取り上げられている事例を知らないのだが、どこにあるのだろう。
2015/11/10
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