屈折万歳! (岩波ジュニア新書)
屈折万歳! (岩波ジュニア新書) / 感想・レビュー
さらば火野正平・寺
元TBSアナウンサー・小島慶子が少年少女に向けた自伝的メッセージ。私は小島慶子が好きである。多分年齢は同級生になるはずだ。その小皺も含めて本当に素敵な女性だと思う。幼い頃からの家族との軋轢。周囲との軋轢。育つ過程で親に抱かされた偏見と劣等感。精神を病む程悩んで悩んで優しくなった女性がここにいる。だからこの人はあんなに素敵な笑顔で笑うのだと痛感。私はたまに思うが、宗教者の開いた悟りよりも、現代人が現実と格闘して泣きながら考えて掴んだ幸せの方が尊いと思う。これは本当に素晴らしい一冊。お勧めである。
2015/11/03
ネギっ子gen
「どこにも居場所がない」と悩む若者は多い。著者も、<15歳から30歳まで、私は摂食障害に苦しんでいました。最初は拒食気味になり、18歳からは食べることがやめられない過食に、20歳頃からは大量に食べては吐く過食嘔吐になりました。ものを食べている時間だけは、大嫌いな自分のことを忘れられたからです。食べては吐きながら、自分を嘲笑っていました。辛くて泣いていました。私なんか消えればいいのに、って>と自身のことを書くが、表面は人気女子アナ。そんな彼女が10代に向け、屈折は悩みの扉を開く鍵になると教えてくれる1冊。⇒
2021/08/27
miu
小島慶子さんが、これから大人になって社会へとこぎ出る10代に向けての本。。。なんだけど!わたしの中の大人になりきれていていない部分が激しく共鳴。自分たちは偏った集団の中に身を置いているということ。家族との関わり方。自立。そして人は必ず変わるということ。わたしはこの年でようやくこの思考に辿り着いた。でも遅すぎるなんてことはない。気付いたときからシフトチェンジすればいいのだから。
2016/08/22
よしひろ
「失敗礼賛」の著者でもある。摂食障害など、さまざまな人生の苦難を経験しながらも、自分と向き合い、人生を力強く歩む勇気をくれる一冊。
2016/04/10
ybhkr
個人的に、すべての子供にお薦めしたいとは思わない。著者と同じように人生の設定が客観的に見て恵まれている、一見、悩みなんて贅沢なこと言ってんじゃないよ!みたいな環境の中で屈折している子向きなんじゃなかろうか。著者自身も書いている通り、これ、物凄く贅沢な悩み。貧困とか虐待とか自分の力ではどうにもならない問題を抱えた子には絶望にしかならない気がする。もしかしたらお金持ちでも幸せになれるわけじゃないんだーって救われるかもしれないけど。わたしの感覚では著者の母世代で奉公せずに夜間学校行けるのは貧しくないし。
2017/02/08
感想・レビューをもっと見る