姜尚中と読む 夏目漱石 (岩波ジュニア新書)
姜尚中と読む 夏目漱石 (岩波ジュニア新書) / 感想・レビュー
しょうじ@創作「熾火」執筆中。
【第3章のみ】読書会で読む『こころ』の参考文献として読んだ。「100分de名著ブックス」と内容的に重なる部分が多いが、それは苦にならなかった。著者は、漱石が『こころ』で描いたものは、先生から私、私から『こころ』を読む者へとあてられた、想いの連なりであるとしている。実は『こころ』は未だ60%程度しか読んでおらず、先にこちらを読むのは「反則」なのかもしれないが、明快な補助線を得た気持ちでいる。
2019/03/28
たくのみ
「猫」にでてくる、「トイフェルスドレッグ君に譲る」はカーライルの「衣服哲学」の主人公のこと。藤村操の自殺が、首括りの哲学につながっている。ビルドゥングスロマンといえる「三四郎」「それから」「門」。そこにある崖の上と崖の下の格差。ジュニア向けとは思えない、今の社会をどう見るかにつながる漱石分析。読みごたえありました。
2016/06/18
うずら
先日読んだ「こころ」に納得がいかなかったので読んでみた。青少年向けだったので読みやすいんだけど、ますます納得がいかない。
2016/08/16
雨巫女。
《私-図書館》熊本の私の近所に、漱石の関連の史跡があるし、姜さんの母校や実家の近所だったせいか、共感する。三部作が、未読だし、もう一度、漱石作品を読みたくなりました。
2016/09/13
ともすけ
姜尚中独自の視点から夏目漱石を読んでいる。文学者によらない漱石像が浮かび上がっている。社会と漱石の関わりを中心に描き、抽象的思考に陥らず漱石のその当時の人間像を描こうとする。この本では前期三部作と『こころ』について語られているが、『こころ』の姜尚中の解釈は自分のそれとかなり近いところがあった。ただ僕は、「淋しい人間」、「父母未生以前本来の面目」については見解を異にする。様々な分野の人間が様々な漱石を読むことができる、それほど漱石作品とは懐の深いものである。姜尚中の漱石への愛を感じられる一冊。良書である。
2016/05/14
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