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カントの時間論 (岩波現代文庫 学術 40)

カントの時間論 (岩波現代文庫 学術 40)

カントの時間論 (岩波現代文庫 学術 40)

作家
中島義道
出版社
岩波書店
発売日
2001-01-16
ISBN
9784006000400
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カントの時間論 (岩波現代文庫 学術 40) / 感想・レビュー

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Happy Like a Honeybee

経験は知覚の必然的な結合の表象によってのみ可能である。 カントの時間論を展開させた一冊。 あたかも時間が見えるかのように捉えるとき、それを直観と呼ぶ。 ニュートンの絶対時間にも賛同せず、新しい空間概念として時間論を構築したと。 空間と時間の内部にある世界。それはいつ、どこと確定できる条件。 何回も熟読する必要があるな。

2018/04/03

Bevel

カントは、認識を対象に従属させるのではなく、対象を認識に従属させた。これは、数学と物理学の形式(認識の形式)を持つ対象の客観的実在性とはどのようなものかを問うことでなされた。この本の面白さは、「意識する私」とは、無規定なものとして現れており、逆に客観的実在性をもつ世界の中でしか規定されないということ、つまり認識(自己)を対象(世界)に従属させるという反転、これを純粋理性批判のうちに見つけ出すことにある。この問題はそのまま、純粋統覚の時間と超越論的統覚の時間の存立の問題である。とまとめてみた。

2014/06/12

またの名

夢や空想の話をやたら差し挟むカント論。人間の内部に生じる表象すべてを「〜と私は思う」「〜と私は考える」という自己の統覚が枠付けるとするカントの哲学に従うと、時間構造を作る諸物体の客観的な前後系列のみならず非客観的な夢や空想にも、統覚が作る時間構造ぽい前後系列は一応成立。夢から目覚めて現実の時間秩序に触れることで初めて外部の現象と区別される内部の夢現象に気づける点をカント語でパラフレーズし、物質の秩序に触発されて自分の外的世界(の時間秩序)を構成してから更に時間秩序を内的世界に注入し構成するシステムを提示。

2020/08/28

ぴこ

無規定的な我思うとしての自己意識から、対象としての自己を世界のうちで客観的に規定する自己認識へと移行するためには、自己を客観的時間のなかで実在するものとして規定しなければならない。客観的時間の構成は外的世界における物体的対象の力学的構成によって与えられるが、自己の無規定的な現存在を客観的時間の中で規定することができる根拠は、つまり外的認識から内的認識の成立の根拠は、自己触発の理論である。自己触発とは悟性の超越論的総合作用によって外的世界を構成し、そうすることで内的客観的先後系列を構成することである。

2015/11/08

トックン

「後悔と自責」の中島哲学の要諦を成す書。空間を実体視するニュートンと関係こそ全てだというライプニッツを「時間」という概念で統合しようとした人としてカントを位置づける。内部で自己完結する「自己意識」と外界(他者)を意識する「自己認識」を区別し、内部は外部に依存することを強調し最後に理論理性に対し「実践理性の優位」を唱える。自己認識と言いつつも他者の問題は主題にせず、客観的時間による未規定性による自己定立=現存在を氏は強調するが、他者こそ未規定な物自体ではないかという疑問が残る。

2019/07/27

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